1 2019/01/16(水) 00:36:37
「人を殺した事があるんです」
不気味なくらいに月が美しい夜、彼女は俺に向かってそう言った。
「私がこの教会でシスターになる前の事です。私はこの手で人を殺しました」
月明りだけが照らす協会で、彼女は自分の罪を懺悔していた。俺に話すかのように、神に話すかのように。開かれる事のない瞳を向け、淡々と。
「どうして殺さなければいけなかったのかは私にはわかりません。あの時の私にはそれだけが最善の方法に思えたのでしょう」
俺が口を挟む暇もなく、彼女は続けている。
「ナイフを突き立てた時、あの人の顔には恐怖が浮かんでいました。身をよじり、逃げようとするあの人に向かって馬乗りになり、二度、三度と。何度も何度も。繰り返しナイフを突き立てました」
彼女は自分の右手に視線を落として、何かを握るような素振りを見せた。おそらく、殺した時の事を思い出しているのだろう。
不気味なくらいに月が美しい夜、彼女は俺に向かってそう言った。
「私がこの教会でシスターになる前の事です。私はこの手で人を殺しました」
月明りだけが照らす協会で、彼女は自分の罪を懺悔していた。俺に話すかのように、神に話すかのように。開かれる事のない瞳を向け、淡々と。
「どうして殺さなければいけなかったのかは私にはわかりません。あの時の私にはそれだけが最善の方法に思えたのでしょう」
俺が口を挟む暇もなく、彼女は続けている。
「ナイフを突き立てた時、あの人の顔には恐怖が浮かんでいました。身をよじり、逃げようとするあの人に向かって馬乗りになり、二度、三度と。何度も何度も。繰り返しナイフを突き立てました」
彼女は自分の右手に視線を落として、何かを握るような素振りを見せた。おそらく、殺した時の事を思い出しているのだろう。