:名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 21:48:34 ID:Zpx

唯「まずドリルは何がいいかな?」

(裏声)『ドイツ製が一番ダヨ!』

唯「そうだねー、ぞーりんげんとかあるもんねー」

(裏声)『ゾーリンゲンは刃物ダヨ、ドリルとはちょっと違うヨ』

唯「そっかー、うっかりしちゃったなー」


:名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 21:53:55 ID:Zpx

唯「まずドリルで頭蓋骨をエグって~」

(裏声)『唯ちゃん! 唯ちゃん!』

唯「ん? なぁにギー太?」

(裏声)『ボクあずにゃんの頭にお酢を流し込みたい!』

唯「もうギー太ったら、そんな事したら暴れちゃって大変だよ」

(裏声)『そっかー・・・残念ダヨ』


:名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 21:57:26 ID:937

多重人格探偵サイコかよ……


:名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 22:06:47 ID:Zpx

唯「一撃でトドメをさしちゃダメなんだよ?」

(裏声)『なんで? あずにゃんが火をつけられたネズミみたいに暴れるところを見たいヨー』

唯「ズバリ! 今回のテーマは<自然と共存するロック>なのです! いえーい!」

(裏声)『共存?』

唯「そう、あずにゃんは生き続けるんだよ! そして頭に咲かせたお花でロックを示し続けるんだ!」

(裏声)『もう殺してくれ、って状態は最高にロックだよネ』


11 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 22:18:25 ID:Zpx

唯「(今の話は聞かれてないよね、ギー太?)」

(裏声)『大丈夫だよ唯ちゃん、ノンプロブレムだヨ』

梓「(先輩がギターと会話してる・・・なにかの病気なのかな?)」

唯「ねえねえ、あずにゃん」

梓「なんですか?」


15 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 22:24:23 ID:Zpx

唯「お花は好き?」

梓「ええ、まあ。あんまり飾ったりはしないですけど」

唯「そっかー。ふふふ」

梓「(笑ってる・・・)」

この人そろそろ限界なのかもしれない、と梓は密かに思ったが口には出さなかった。


16 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 22:25:03 ID:937

あずにゃんひどすwww


20 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 22:37:25 ID:Zpx

梓「それにしても、」

唯「なぁにあずにゃん?」

梓「他の先輩方は今日も来ませんね」

唯「うん・・・」

梓の言葉に触発されたのか、唯は他のメンバーとの決裂の時を思い返していた。


23 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 22:42:22 ID:Zpx

――回想中――

律「そんなこと出来るかよ!」

唯「なんで!? ただドラムを燃やすだけだよ!」

律「ふざけんなー!」

唯「(ル○シーだってドラム燃やしたのに・・・)」

――回想中――


26 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 22:47:49 ID:Zpx

――回想中――

唯「そこで地面を掘って!」

澪「えっ!? えっ!?」

唯「もー! エディのパフォーマンスの再現だよぉ!」

澪「で、でも私はベースだし・・・! エディはボーカル・・・!」

梓「(澪先輩、問題はそこなんですか?)」

――回想中――


28 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 22:58:49 ID:Zpx

もう一人誰か居たような気がしたが、思い出せ無いので唯は回想を中断した。


唯「わたしはただ純粋にロックが好きなだけなのに・・・」

唯「どうしてみんな居なくなっちゃうんだろう・・・?」

(裏声)『不思議だネー』

唯「ねー?」

梓「先輩って性質が悪いですよね」


36 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 23:21:34 ID:Zpx

唯「む! あずにゃん酷いよー」

(裏声)『悪口とか最低ダヨー!』

梓「・・・でも他の先輩方がいないと部活にならないですよ。どうします?」

唯「むむむ・・・!」

唯は腕組みして唸った後、何かを思いついたのかパッと表情を明るくした。

唯「そうだ! ドリルを探しに行こー!」


37 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 23:28:00 ID:Zpx

梓「ドリル? なんで突然ドリルなんですか?」

唯「・・・あっ!」

しまったという顔になった後、唯はギターに向かってヒソヒソと語りかける。

唯「わたしとギー太だけの秘密だもんねー?」

(裏声)『ソウダヨ。秘密ダヨ。黒いだけが取り得の後輩にナンテ教えないモンネー』

唯「ねー。ふふふ」

梓「・・・・・・・・・・・・」


38 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 23:37:12 ID:Zpx

結局その日の活動は解散になり、唯は一人街角でドリルを物色していた。


唯「う~ん・・・思ったよりも高いなぁ」

店主「お嬢ちゃん何をお探しでい?」

唯「ズバリ! ドリルです!」

店主「(お父さんのお使いかな?)」

それなら、と店主は小柄な電動ドリルを手に取る。


39 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 23:41:44 ID:Zpx

店主「これなんかどうだい? 値段も手頃だよ」

唯「う~ん・・・。コンセントが付いてるヤツじゃなくて」

店主「おやバッテリードリルをお探しで?」

店主「でもねえお嬢ちゃん、日曜大工で使うのは普通こういうコンセント型だよ?」

店主「バッテリードリルなんて専門の業者しか使わないねぇ。高いし重いし」


40 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 23:47:31 ID:Zpx

唯「(10万円以上する・・・買えない)」

唯「ねぇギー太?」

(裏声)『なんだい唯ちゃん?』

唯「盗んじゃおうか?」

店主「(おい何か凄いこと言い出してないか? この娘)」


43 :名無しさん@おーぷん :2015/03/13(金) 23:59:52 ID:Zpx

(裏声)『それはダメだヨ、唯ちゃん』

唯「えー? どうしてぇ?」

店主「・・・(腹話術?)」

(裏声)『思い出すんだ、今回のテーマは<共存>だってことヲ』

唯「?」

店主「?」


44 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 00:14:40 ID:tMa

(裏声)『唯ちゃん、共存っていうのはただ奪うことじゃ無いヨネ?』

唯「う~・・・むむむ!」

(裏声)『ボク達はあずにゃんの総てを奪うかもしれないけど、その代わりに花を与えるヨネ?』

唯「むむむむむ・・・!」

(裏声)『だからこそロックだよネ?』


唯はチラッと店主の顔を見た。
ただドリル奪うのでは無く、その代わりにこのオジさんの脳に花を植えれば共存なロックになるかも、と思ったのだ。
でも鉢植え代わりにするにしては、オジさんの顔は花を咲かすのに似合わなかったので諦めた。


47 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 00:26:01 ID:tMa

その夜、唯は自宅のベッドでギー太と語り合っていた。


唯「やっぱり鉢植えにする人は厳選する必要があると思います!」

(裏声)『そうだよ唯ちゃん。手当たり次第なんて商業主義者のすることだヨ』

(裏声)『ボクらは綺麗な花を咲かせられる人だけ頭蓋骨をエグってあげるんだ』

唯「だよねー?」

(裏声)「ネー?」

ふふふ、と唯は小さく笑った。


49 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 00:33:52 ID:tMa

唯「でも、ドリルが無いんだよ・・・」

きしり、とベッドが軋む音がした。
ギターは何も答えない。

唯「これじゃあずにゃんに花を咲かせられない・・・誰にも花を咲かせられない」

鬱々とした声で呟きながら顔を伏せる。
ギターは何も答えない。


50 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 00:40:31 ID:tMa

唯「本当はギー太なんて居ない。わたしには誰も、誰も、居ない・・・」

泣き出しそうな声で言う。
しかしやはりギターは何も答えなかった。

唯「みんな・・・どうして? どうして居なくなったの!?」

残ったのはあずにゃんだけだ。
律も澪も、唯の大切だった人達は彼女を置き去りにした。


54 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 00:47:38 ID:tMa

唯「わたしはただ、」

瞳から大粒の涙が零れる。

唯「みんなに笑って欲しかっただけなのに!」

泣きじゃくりながら、とりあえず邪魔なギターを投げ捨てる。そして絶叫した。

唯「みんなを笑わせてから、その笑顔を奪い取りたかっただけなのに! ロックだけに! ロックだけに! なのにどうして!?」

どうしてこんなことになったんだろう、と唯は思った。
多分それは全部彼女のせいだった。


58 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 01:00:08 ID:tMa

視線を向けると学生の人だかりが出来ているのが見えた。
なんだろう? 唯は彼らの会話に耳を傾けた。

A「おい、あれ・・・」
B「燃えてる。スッゴイ勢いで燃えてる」
C「あの人なに? 火を消そうとしてるの?」

燃えてる?
なにが燃えているんだろう、唯はロック魂に導かれるままにその光景へと近付いていった。


60 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 01:06:14 ID:tMa

唯「う・・・わ・・・!」

唯の口から歓声のような溜息が漏れた。
それは光景まさにロックだった。
それは炎に燃え盛るドラムと、打ち鳴らされるドラムの音と、狂ったようにドラムを叩く律の姿だった。
そしてその律のドラムの前で必死に地面を掘る澪が居た。

唯「りっちゃん・・・! 澪ちゃん・・・!」

唯の存在に気が付いた律は照れくさそうに言う。

律「・・・今回だけだからな!」


62 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 01:07:22 ID:xXq

笑いと感動の両方が来た


64 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 01:12:25 ID:tMa

感動に打ち震える唯。
そんな唯の背後から近付いて来る者がいた。

梓「これでやっと勢ぞろいですね」

唯「あずにゃん!」

梓「さあ先輩、行きましょう。皆さんが待ってますよ?」

唯「・・・うん!」


65 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 01:15:56 ID:tMa

ギー太を持って走り出す唯。

その顔にもう迷いは無い。

手を伸ばせば、そこに大切なものがあるから――。

仲間が居るから。もう涙は無かった。


66 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 01:19:03 ID:tMa

こうして、けいおん部は伝説に残るゲリラライブを敢行することになる。

結末というのは語ってしまえば簡単なものだが、それまでの行程こそが大事なのだと私は思う。

ロックとは人生の軌跡なのだ。

そして・・・。

唯から「シガーロス風の全裸PVを取るべきだよ!」と促され、一人撮影をしていたムギが・・・。、

全てから忘れられていた彼女がけいおん部への復讐を誓うことになるが、それはまた、別のお話・・・。


The END


68 :名無しさん@おーぷん :2015/03/14(土) 01:30:27 ID:tMa

・・・みたいなね。
以上、ありがとうゴザイマシタ。
多重人格探偵サイコは面白かったなぁ・・・。


引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1426250450/