2017/08/15(火) 11:45:49

~事務所~

みく「地方ライブも無事終わってひと安心にゃ」パクパク

かな子「ファンのみんなとっても喜んでくれてたね」

みく「あの日の光景が今だに目に焼き付いて離れないにゃ」パク

かな子「また行けるといいね」

みく「うん! はぁ~それにしてもなんて滑らかな舌触り。このPちゃんが買っておいてくれたレアーズケーキ美味しいにゃ~」

かな子「私たちもライブで大忙しだったけどプロデューサーさんだってそうなのに、時間を捻出してお店まで行ってくれてたなんて」

みく「Pちゃんに感謝にゃ。というかもうPちゃんじゃなくてP様にゃ!」パク

かな子「アハハ」

みく「それにしても、地方ライブだからこそのご褒美だよね。ご当地スイーツ」パクパク

かな子「美味しそう……」ごっくん

みく「? かな子ちゃんの分なら冷蔵庫に入ってるよ。ライブの練習中に大絶賛してくれてたのにまったく手に付けてないみたいだね。期待してたのと何か違った? それとも食べちゃうのもったいないとか?」

かな子「地元で有名なケーキ屋さんでも特にオススメされているレアチーズケーキ。その味はクリームチーズとヨーグルトがちょうどいい具合で配合されることで濃厚だけれどあっさり。昔、雑誌で見てから気にはなってたの。だから、評判通り美味しいと思うし、食べたいけど……」

みく「いつもなら、ライブとかグラビアのお仕事が終わる度にようやく我慢しないですむよ、って幸せそうにお菓子を頬張ってるのに……」


  2017/08/15(火) 11:46:27

かな子「わわっ! それは言わないで! 恥かしい」

みく「どうしたの? お菓子食べれるんだよ。かな子ちゃんらしくない」

かな子「みくちゃんはいつもスタイルがよくって羨ましいな」

みく「えっ! みく褒められてる! テッ、テレるにゃ」ニヤニヤ

かな子「それに比べて私は……」

みく「かな子ちゃんは元々普通ぐらいの体型だと思うよ」

かな子「うーん」モヤモヤ

みく「いやいや! 他の人たちが痩せすぎだからそう感じるだけだよ。かな子ちゃんは普通だって」

かな子「そうかもしれないけど」

みく「みくは、かな子ちゃんが美味しそうにお菓子を食べてる姿を見てると笑顔になるにゃあ。ファンだって。だから、悩んでまで我慢しないでにゃ。ねっ?」

かな子「でも、私、毎度のように落として戻って落として戻ってはさすがに……。潮の満ち引きじゃないんだから」

みく「(あーー、その気持ちはわからないでもないにゃ)」

かな子「これまで私は、美味しいから大丈夫だって思ってたけど、美味しいからって食べたことには変わりないんだよ。そこに気づいた時にね、そっか! 食べなければいいんだって。私今までそんな簡単なことに気づけてなかった」

みく「み、みくは気づけただけ前進だと思う(端からそうにゃ……。食べたのに栄養になってなかったらその方が大事にゃ……)」

かな子「私ね、ぽっちゃりから卒業したいの! そして、最初の一歩こそ徹底するべきなの! だから、お菓子は食べない!」


  2017/08/15(火) 11:46:53

みく「えっ。じゃ、じゃあこの貴重なレアチーズケーキはどうするのにゃ? みんなと違って冷蔵庫にかな子ちゃん用に1ホールあるけど」

かな子「プロデューサーさん……」ガクッ

みく「Pちゃんが間の悪いのはデフォルトみたいなものだし、仕方がないよ」

かな子「そ……そうだよね。プロデューサーさんは何にも悪いことなんてしてない。これも私の日ごろの振る舞いが招いた結果だし」

みく「返す言葉がないにゃ。うーん、でも、レアチーズケーキ1ホール分かー。ひとまず今日のところは冷蔵庫に保管しておく?」

かな子「もう事務所に立ち寄る人もいないだろうから、そうだね。また明日考えようかな」

翌日
~レッスンルーム~

かな子「あれ? もう開いてる」ガチャ

みく「あっ、かな子ちゃんお疲れ様にゃん」

法子「お疲れ様! かな子ちゃん!」

かな子「みくちゃんに、法子ちゃん。お疲れ様。まだ朝も早いのに二人ともどうしたの?」
みく「ライブを終えて課題もはっきりしたから自主レッスンにゃ。早朝なら誰もいないから自由にこの場所も使えるでしょう」

法子「あたしは寮でみくちゃんとばったり会って、練習するって言うからそれじゃあ、あたしも、ってついてきたの。ライブのお仕事はまだまだ初心者だから、先輩であるみくちゃんから色々と教わろうと思って」

みく「え、えへへ。せ・ん・ぱ・い♪ そっかー、みくもとうとう先輩と呼ばれるような立場に。どれ、法子後輩。みくにゃん先輩が抱擁してあげるにゃ」むぎゅー

法子「うわあ。みくちゃん?」


  2017/08/15(火) 11:47:17

みく「法子ちゃんはカワイイカワイイ後輩にゃ~」ナデナデ

法子「みく、ちゃん……みくちゃん、どうしたの?」

みく「あっ!……」

かな子「……」

みく「コッ、コホン。そ、そういうかな子ちゃんは?」

かな子「私もみくちゃんと同じだよ」

法子「なら、一緒に練習しようよ! あたし、かな子ちゃんとも練習したいなー」ニコッ

かな子「本当? ならご一緒させてもらおうかな」

みく「それじゃ、早速ストレッチを始めるにゃ」

かな子「うん」

法子「はーい!」

~レッスンルーム~(自主レン後)

みく「ふぅ……ふぅ……」

法子「……もう、動けないよー」

みく「ごめんね……少し飛ばし過ぎたかもしれないにゃ。はい、これ使って」

法子「タオルありがとう」ふきふき

みく「どういたしましてにゃ」

法子「やっぱり、みくちゃんはすごいね」


  2017/08/15(火) 11:47:36

みく「課題の突破口が開けたかもしれない。みく、絶好調にゃん!」

法子「それにかな子ちゃんも!」

かな子「そうかな?」

法子「? そうだよ。あたし歌に合わせて表情を作ったり、感情をダンスにのせるが苦手なんだ。だから、歌をうたっているとついね、どんな曲調でも明るくなちゃうの。でも、かな子ちゃんは普段は穏やかなのに曲に合わせて色々な顔ができる! やっぱりすごいよ!」

かな子「今のは、ちょっと違う思う」

法子「ん?」

みく「確かに、どちらかというと力んでるように感じるところもあったかも」

かな子「お菓子……」ふらふら

法子「お菓子?」

かな子「わわっ!」パタン

法子「えっ! かな子ちゃん!」バタバタ

みく「どうしたの!」バタバタ

かな子「だ、大丈夫だから。尻餅ついちゃっただけだよ」

みく「大丈夫って言われても、ふらふらしたと思ったら突然態勢崩されたら誰だって心配するにゃ」

法子「かな子ちゃん、お腹空いてるの?」

みく「まさか、ご飯まで食べてないなんてことはないよね?」


  2017/08/15(火) 11:47:56

かな子「さすがにご飯はきちんと食べたよ。だから、心配しなくても」

みく「そ、そうかにゃ……。なら、外に出て休憩にしよう」

かな子「そうだね」

法子「かな子ちゃん歩ける?」

かな子「うん」

みく「じゃあ、外に出るにゃ」ガチャ

~廊下~

愛梨「あれっ、みなさんおはようございます」ペコリ

法子「愛梨さん、おはようございます」

愛梨「三人でどうされたんですかぁ~」

みく「おはよう愛梨ちゃん。さっきまで自主練習してて、区切りが着いたから休憩に行くところにゃん」

愛梨「へぇ、そうなんですか。なら、よかったらなんですけどぉ、アップルパイいかがですか~」

かな子「えっ……」ごっくん

愛梨「かな子ちゃん?」

かな子「ご、ごめんなさい愛梨ちゃん。私ちょっと急いでるの」ドタドタ

みく「かな子ちゃん! 待つにゃー」ドタドタ

愛梨「法子ちゃん、何かあったんですか?」


  2017/08/15(火) 11:48:17

法子「もしかしたら、お菓子が足りてないのかも」

愛梨「?」

法子「愛梨ちゃん、時間取らせてごめんね。じゃーね。……二人ともーあたしのこと忘れてるよー」ドタドタ

~繫華街~

かな子「愛梨ちゃんに会ってから里美ちゃん、菜帆ちゃん、春菜ちゃん、みちるちゃん、にも会うし、事務所に居られる場所がないよ!」

みく「落ち着いて欲しいにゃ!」(それにしても春菜ちゃんのは違うにゃ)

法子「かな子ちゃん、もしかしてお菓子食べてないの?」

かな子「うん。もうぽっちゃりは卒業したくって。そうなると、原因のお菓子は食べちゃダメだよね」

法子「ドーナツ屋さんだ! ちょっと待っててね」テクテク

みく「お店の中に入っていちゃったにゃ……。かな子ちゃん、本当にご飯まで抜きにしてないんだよね?」

かな子「ご飯は食べたよ。でも、物足りなさがあるの。それで、ずっとイライラしちゃってた」

みく「それって……やっぱりお菓子が食べれなかったから。みんなから逃げ回ってたのもそういう……」

法子「二人ともお待たせ! それと」ゴソゴソ

かな子「法子ちゃん! その紙袋」

法子「はい! ドーナツ!」


  2017/08/15(火) 11:48:43

みく「あっ! ありがとう(そ、そうだったにゃー! 法子ちゃんはあちら側の住人だったにゃ)」

かな子「うっ、うん」ごっくん

法子「かな子ちゃん、お菓子を我慢してるんだよね。でも、それじゃ、ダメだよ。だって車にコーラを入れたって走らないでしょ。あたしも同じようにドーナツじゃないとダメなの」

かな子「私もそう、っていう意味かな?」

みく「??」

法子「ドーナツ美味しそうでしょ。でも、美味しいことはいけないことじゃないよ。お菓子は悪くない。お菓子は美味しいから大丈夫なんでしょう?」

みく「……(かな子ちゃんが過去の自分に。なんて皮肉にゃ)」

かな子「そ、そうだね。法子ちゃんの言う通りだよ。お菓子が美味しいことに悪くはない。だから、私次第」

みく「??」

かな子「ありがとう法子ちゃん。危うく私はお菓子が美味しいせいにしようとしてたよ」

法子「ううん。あたしは大したことはしてないよ」

かな子「でも、ありがとう。……そうだ! みくちゃん、昨日の私の分って言ってたレアチーズケーキ食べに行くよ」

みく「えっ!」

かな子「アハハッ、1ホールは食べないよ。でも、食べないのはせっかくのお菓子がもったいないから。法子ちゃんも一緒に食べようよ。すっごく美味しいレアチーズケーキがあるの」
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引用元:http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1502765149/