2017/11/28(火) 00:01:41

事務所

ちひろ(せっかくお休み頂いたのにやる事なくて事務所に遊びに来てしまうなんて……)

ちひろ「私も心さん達の事は言えないなぁ」

ちひろ「お疲れ様でー、えっ?」

心「それはこっち……えっ!?」

モバP(以下P)「あっ」

心「え、ちひろちゃん……!?」

ちひろ「お、お疲れ様です……」

ちひろ(……まずい事になった。そう言えば明日は私の誕生日でしたけど)

ちひろ(まさか自分の誕生日お祝いパーティの準備をしている所に来てしまうとは……)

P「えっと……その……」

ちひろ(プロデューサーさんもどうしたものかと目があちこちに泳いでますし、心さんも珍しく顔に汗をダラダラと)

ちひろ(ここは私が見なかった事にすれば丸く収まる、はず)

ちひろ「間違い何で……」


  2017/11/28(火) 00:02:22

心「んもー☆ 丁度良いところに☆」

ちひろ「えっ!?」

P「えっ!?」

心「人手が足りてなかったんだ♪ ちひろちゃんも手伝ってね☆ 手伝えよ☆」

ちひろ「あ、はい」

P「し、心さん!」

心「なんだよ☆」

P「いいんですか!? あ、いや、その……」

ちひろ「私にはお構いなく。聞いてませんから。気になるようなら席を外しますよ?」

心「大丈夫だから☆ ちひろちゃんはこっちの飾りつけお願い☆」

ちひろ「はい」

心「でも、ごめん。ちょっとプロデューサーと作戦会議するからちょっと待ってて」

ちひろ「はい、ごゆっくりどうぞ」

心「うん☆」

心「よし、行くぞ、プロデューサー」

P「は、はいっ!」

ちひろ「……」

ちひろ「さて、心さんはどうするつもりなんですかね」

ちひろ「……まさか自分の誕生日パーティーの飾りつけを自分でするとは……」


  2017/11/28(火) 00:03:20



廊下

心「なんで!? なんでちひろちゃんが来てるの!? 今日お休みでしょ!?」

P「俺だって聞きたいですよ! なんでですか!?」

心「はぁとが知るわけないだろ☆」

P「俺だって知らないですよ!」

心、P「「……」」

心、P「「来てしまったなら仕方がない……」」

心「何か作戦を立てないと……」

P「作戦の前に、心さんの対応なんですか、あれ」

P「ちひろさんポカンってしてましたよ」

心「うぐっ……。し、仕方ないだろ☆ 咄嗟に出てきた言葉があれだったんだから☆」

P「驚きずぎて何も言えなかった俺も悪いですけど、あれは正直……」

心「ナイ、よね……?」

P「ですね……」


  2017/11/28(火) 00:04:00

心「……切り替えて行こう」

P「そうですね。とりあえずこれでサプライズは不可能になりました」

心「自分の誕生日パーティーの準備をするってある意味とってもサプライズ☆」

P「あはは! かもしれませんね!」

P「笑ってる場合じゃないです」

心「はい」

P「とりあえず、ちひろさんもある程度察してくれてるみたいですけど、あんまり長々と会議は出来ませんね」

心「だね……。なるべく早めにどうするか決めないと」

P「……何か思いつきますか?」

心「……例えばだよ?」

P「はい」

心「今、ちひろちゃんって部屋に一人じゃん?」

P「そうですね。俺達がこうして廊下に居ますから」

心「後ろから殴って記憶を飛ばす……」

P「物理的はぁとアタック☆ってやつですか。却下です」

心「じゃあプロデューサーは何かあるの?」

P「……スタドリの瓶なら」

心「同じだろ☆」


  2017/11/28(火) 00:04:21

P「ダメですね。今の俺達たぶんめっちゃ混乱してるんで、まともな作戦が出てきません」

心「うん。深刻なくらいに今のはぁと達はあほだと思う」

P「マジでどうしましょう……」

心「仕事してる時のキレッキレでカッコいいプロデューサーはどこ行ったんだよぉ……」

P「ステージの上での頭の回転の速い輝いてる心さんはどこに……」

心「んふ☆」

P「ふへっ」

心「んも~☆ そんなに褒めんな☆ 照れる☆ 照れちゃぅ~☆」

P「へへ……俺も心さんにカッコいいって言われると照れますね……」

ちひろ「はいはーい。夫婦漫才はそこまでにしてもらえますか」

心「ぬぉおっ!?」

P「ち、ちひろさん!?」

ちひろ「心さん、その声はアウトです」

ちひろ「とりあえず私が出来る範囲は終わりましたよ」

心「あ、ありがと……☆」


  2017/11/28(火) 00:04:53

ちひろ「それとですね」

P「は、はい!?」

ちひろ「お祝いしてくれるって気持ちだけでも充分嬉しいです。なので無理にサプライズにこだわらなくても大丈夫です」

心、P「「うぃ……」」

ちひろ「それに、これって明日ですよね?」

心「うん☆」

ちひろ「幸いにもまだお二人にしか私は見られてないですし、今日は一旦帰ります」

ちひろ「明日ちゃんと驚いてみせるので、それなら大丈夫ですよね?」

P「はい……お願いします」

ちひろ「任せてください。これでも演技力には自信がありますから」

心「ありがとね、ちひろちゃん☆ チビッコ達もこれできっと喜ぶ……」

P「し、心さん!」

心「あ、やっべ」

ちひろ「はぁ……。心さんってば……」

ちひろ「大丈夫です。今のも聞いてないですから」

心「すんません」

ちひろ「では、お邪魔しました。お疲れ様です」

P「お疲れ様です! 明日はよろしくお願いします!」

心「お願いします!」

ちひろ「はい♪」


  2017/11/28(火) 00:05:36

P「……」

心「……行った?」

P「行きましたね」

心「……どうするよ」

P「まぁ……とりあずは準備だけは終わらせましょう」

P「年少組も張り切ってましたし、ちひろさんも協力してくれますから」

心「だねぇ……」

心「あー……ミスったなぁ……」

P「ミスりましたねぇ……」

P「まさか、休みに日にちひろさんが事務所に来るなんて……」

心「何しに来たのかなぁ、ちひろちゃん」

P「そう言えばそうですね。何か用事があったようには見えませんでしたし」

心「もしかして普段のはぁと達と同じだったりして☆」

P「遊びに来たんですか?」

心「うん☆」

心「ちひろちゃん、一人で寂しかったのかも☆」

P「いつも朝は早くから夜は遅くまで働いてくれてますからね。なかなか友達と遊んだりできてないでしょうし……」

心「ちひろちゃんもみんなとわいわいしてるの好きだしね☆」

心「あ。閃いた」

P「はい?」

心「間に合うかな……。徹夜すればなんとか……」

心「ねぇ、プロデューサー。ちょっと思いついたから手伝ってくれる?」

P「……? はい。俺で良ければ」


  2017/11/28(火) 00:06:00



心のアパート

心「ま、間に合った……」

P「お疲れ様です……」

心「プロデューサーも手伝いありがとね……☆」

P「いやいや……ほとんど何もしてないですから」

心「そんな事ないってば☆ 間に合ったのはプロデューサーのお・か・げ♪」

心「……とりあえずシャワー浴びてくるね」

P「了解です。寝ないでくださいね」

心「寝てたら起こしに来て……」

P「あい。俺も寝てたら起こしてください」

心「任せとけ☆」

P「5分……仮眠……」
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10   2017/11/28(火) 00:06:29



11月28日 事務所前

P「おはようございます、ちひろさん」

ちひろ「おはようございます、プロデューサーさん」

ちひろ「どうしたんですか? 入らないんですか?」

P「ちひろさんを待っていたので」

ちひろ「私をですか?」

P「はい。俺は魔法使いなんで」

ちひろ「はい?」

P「えー、おほんっ。ちひろさん、あなたに魔法をかけてあげましょうー。舞踏会へ行く為の素敵な魔法ですー」

ちひろ「大根ですね」

P「ほっといてください!」


11   2017/11/28(火) 00:06:51

P「えっと……マハリクマハリタヤンバラヤンヤンヤン? テクマクマヤコン? まぁいいか」

ちひろ「て、適当な……。あと菜々さんセレクトっぽい魔法の言葉……」

P「おいでませー! ネズミよ!」

仁奈「ちゅー! ネズミ仁奈でごぜーますよ!」

P「ネズミよー、魔法の力で馬になれー!」

仁奈「うわぁー! 仁奈の身体がー……!」

ちひろ「仁奈ちゃんの方が演技が上手い……」

仁奈「ふふん! 仁奈はレッスンしてるでごぜーますから!」

仁奈「えっと、じゃなくて……。あれ、ひっかかってうまく脱げねーですよ……」

ちひろ「はい、ここ押さえてますね」

仁奈「ありがとうごぜーます!」

仁奈「じゃーん! ネズミ仁奈から、ウマ仁奈でごぜーますよ!」

P「よし、ではウマよー! ちひろさんを乗せて行くのだー!」

仁奈「はいっ!」

ちひろ「付いて行けばいいんですか?」

P「はい。あとこれどうぞ」

ちひろ「カボチャ……」

P「坊ちゃんカボチャって言います」

仁奈「ちひろさん! こっちでごぜーます!」

ちひろ「はい。今行きますね」


12   2017/11/28(火) 00:07:33



衣装室

仁奈「みなのものー! ちひろさんのおでましでごぜーますよ!」

瞳子「さ、こっちに来てくれる?」

楓「めーいっぱいメイクしますね♪」

ちひろ「へ? メイク?」

美優「ですが、メイクの前にまずは着替えてもらっていいですか?」

ちひろ「これって……」

瞳子「はぁとちゃんの手作りよ」

美優「今日の主役はちひろさんですから」

楓「ガラスの靴はないですけど、今日のシンデレラはちひろさんですよ」

ちひろ「こんなドレスどうやって着るのか分からないんですが……」

桃華「そこはわたくし達にお任せくださいまし」

こずえ「ふわぁー……がんばるよー……」

ちひろ「……じゃあ、お願いしちゃおっかな」



13   2017/11/28(火) 00:08:04



事務所

アイドル一同「ちひろさん! お誕生日おめでとうございます!」

ちひろ「ありがとうございます、みなさん!」

瑞樹「では、主役のシンデレラも到着したことですし」

礼子「パーティ……いえ、舞踏会の始まりね」

志乃「立食形式だから自由にね。お酒は私達の方にまとめてあるわ」

あい「ソフトドリンクはこちらに」

響子「食べ物はこっちです♪」

ありす「今日はちひろさんの誕生日ですから! 私も腕を振るいましたよ!」

法子「ドーナツもいーっぱいあるよ♪」

かな子「ケーキもたーっくさんありますよ~」

愛梨「えへへ。私達も頑張っちゃいましたぁ」

ちひろ「ふふっ。ありがとうございます」

菜々「他に欲しい物があったらどんどん言ってくださいね!」


14   2017/11/28(火) 00:08:35



しばらくのち……

ちひろ「ふむ……?」

麻理菜「心を探してるならここには居ないわよ」

ちひろ「え……?」

麻理菜「仮眠室で熟睡中」

麻理菜「徹夜でそのドレス仕上げたらしくて、朝フラフラしてたから仮眠室に叩き込んできたの」

麻理菜「ちひろさんが来る前に起こしてあげるって言ってね」

ちひろ「悪い笑顔になってますよ、麻理菜さん」

麻理菜「あら、そう?」

ちひろ「普通、こういうのは王子様の役目だと思うんですけど」

麻理菜「でも、心の間の抜けた顔、見たいでしょ?」

ちひろ「見たいですね。最高の誕生日プレゼントになりそうです」

麻理菜「そういう事よ。みんなも分かってるから、行ってきていいわよ」

ちひろ「はい♪」


15   2017/11/28(火) 00:08:59



仮眠室

心「んが……、すー……」

ちひろ「まったく……。徹夜はお肌に悪いって自分で言ってたんですよ」

ちひろ「こんなに綺麗なドレスを一晩で作るなんて、無理し過ぎです」

ちひろ「……おかげで私がシンデレラになれちゃいましたけど」

ちひろ「せっかくの舞踏会なんですから、一緒に踊ってください」

ちひろ「だから、そろそろ起きてください」

ちひろ「心さんも魔法にかかる時間ですよ」

ちひろ「えい」

心「いひゃいっ!? なに!? なんなの!?」

ちひろ「おはようございます」

心「え、あ、うん。おはよう」

心「え? ちひろちゃん?」

ちひろ「はい。私です。もう一度つねりましょうか?」

心「痛いからやめて!」

心「ってか! なんで! マリナルは!? 起こしてって言ったじゃん!」

ちひろ「麻理菜さんからの誕生日プレゼントに心さんの間の抜けた顔をもらったんです」

心「なんだそれ! なんだそれ!」


16   2017/11/28(火) 00:10:55

ちひろ「面白いプレゼントですよね♪」

ちひろ「さ、じゃあ行きましょう」

心「ふぇ?」

ちひろ「シンデレラは舞踏会で王子様と踊るんですよ」

心「え、王子ってはぁと?」

ちひろ「はい。たまにはクールなしゅがーはぁとも良いですよね?」

心「むふー☆ 仕方ないなぁ☆」

心「じゃあ、はぁとがエスコートさせて頂きます、シンデレラ」

ちひろ「はい、よろしくお願いします」
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17   2017/11/28(火) 00:11:11

ちひろ「あ、心さん」

心「ん?」

ちひろ「ドレス、ありがとうございます」

心「気にすんな☆」

心「良く似合ってるぞ☆ さっすがメイドインはぁと☆ スウィーティーな出来栄え☆」

ちひろ「素材が良いですから♪」

心「調子乗りやがって☆」

ちひろ「ふふっ」

心「ちひろちゃん」

ちひろ「はい?」

心「誕生日、おめでとう☆」

ちひろ「ありがとうございます♪」

End


18   2017/11/28(火) 00:12:53

以上です。

アイドルマスターシンデレラガールズ6周年、おめでとうございます!
そして、千川ちひろさんお誕生日おめでとうございます!
これからも末永く私達プロデューサーをよろしくお願いします!

では、お読み頂ければ幸いです


引用元:http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1511794804/