131   2018/10/29(月) 21:37:54

「やっと終わったな」

俺はどかっと執務室のソファーに身体を預けた。メディア対応がこんなにクソめんどくせえものだとは思わなかった。

「やれやれでち。那珂は調子に乗るし、川内は煽るし、神通はキレてカメラの前だというのに思いっきり二人を投げ飛ばすし。
新聞記者は戦争について変なこと言わせようとするし、テレビはやたらしつこいしでくったくたでち」

「全くだわ。青葉がかわいく見えたぜ。マスコミの取材は、ちと制限しよう。那珂たちにもそう言っとくわ」

「それがいいでち。……ってもう一件、取材があったんでちね」

ああ、そうだ。一番重要なのが残っていたわ。
その時、デスクの電話が鳴る。来客だ。

2分後、執務室のドアがノックされた。

「浜田です。よろしいでしょうか」

「いいぞ」

ペコリと頭を下げて現れたのは、小柄なボブカットの女だった。胸はやはりデカい。Gはあるな。

「こほん」

ゴーヤが咳払いとともに睨み付けてきた。俺は肩をすくめて席に案内する。
女が名刺を出してきた。ホテルのではなく、防衛省のだ。

「防衛省内閣官房特務室付、浜田風子です。浜風、で構いません」

「……!艦名でいいのか」

「まだ艦娘としての能力は備えておりますから。その気になれば、即座に戦場にでも」

無表情で浜風が言った。

「さすがだな。で、どっちから行く?やはり呉第2鎮守府の件だな」

静かに浜風が頷いた。童顔ではあるが、紛れもなく歴戦の戦士の顔だ。


132   2018/10/29(月) 21:43:42

「まず、東山大佐は以前行方不明です。呉第2鎮守府の艦娘も、数人が姿を消したと」

「他の艦娘は?」

「狐につままれた様子だったそうです。呉第2鎮守府は、あくまで隠れ蓑であったようですね。多分、あの那覇の夜を機に動くつもりだったのでしょうが」

「大規模テロの未然防止だからな。那珂は本当によくやってくれたよ。問題はその先だ。手掛かりは?」

※コンマ下、!random
00~30 全く
31~60 それがちょっと妙な
61~80 他にも……
81~95 実は
96~100 ちょっとこちらを


133  2018/10/29(月) 21:44:07

はい


134   2018/10/29(月) 22:11:10

浜風は溜め息をついた。

「それが全く。ただ、一般市民に化けて動いているかもしれませんから、警戒度は最大にしています。
鑑識からあのマスクの正体があがるのはそろそろだと思うんですが」

「……そうか。厄介だな。軽巡棲鬼は」

「処分されました。あの翌日に」

俺はゴーヤが淹れてくれたコーヒーを飲んだ。グァテマラの苦味が染み入る。

「やれやれだ、気分が悪くなった。明るい話に切り替えよう。俺たちの取材だったな」

「ああ、それもありましたね。失礼しました」

思い出したかのように浜風は小さなメモ帳を取り出した。

#

そこからしばらくは、俺たちの馴れ初めや結婚に至るまでの話になった。
浜風はほぼ表情を崩さず、凄まじい勢いで小さな文字をメモ帳に走らせている。よくあんなに速く書けるもんだ。

ただ、所々ラーメンの話になると無表情ながら手が止まった。頷く回数も多い気がする。

ふむ、これは。

「浜風、君はひょっとして、ラーメン好きか?」

ビクッと浜風が震えた。何か初めて人間らしい対応になったぞ。

「……余分なバルジが付くから、控えているのですが……」

「ああ、やっぱり」

かああっと浜風の顔が赤くなった。


135   2018/10/29(月) 22:11:20

「……で、せっかくなのでお二人が初めて行ったラーメン屋を教えてくださいませんか?できれば、私もご一緒する形で……」

「てーとくと初めて行ったラーメン屋、でちか?どこだったでちかね……もう2、3年前でちけど、確か……まぜそばか油そばだった気がするでち」

「あー、お前が秘書艦ローテに入り始めて、バルジに悩んでた頃だったな。そうそう、あまり太らないラーメンがあるとか言って連れ出したのが最初だった」

浜風が怪訝そうな顔になる。

「油そばが太らない?油だから太るんでは?」

「いや、スープがない分確かにカロリーは低いんだ。ほぼ炭水化物だから、運動しないとまずいんだが。ただ、腹を膨れさせすにはいいと思ってな。
ゴーヤと行ったのは、確か……」

1 今はなき築地市場のそばにあった、海老そば専門店だ
2 恵比寿にある、ドイツ・ミュンヘンが本店の世にも不思議なまぜそば専門店だ
3 桜台駅前にある、スーパーストロングスタイルのまぜそば専門店だ
4 日吉近くにある、あるインスパイア店のまぜそばだ

※3票先取


136  2018/10/29(月) 22:15:36

1


137  2018/10/29(月) 22:28:09



138  2018/10/29(月) 22:29:21

1
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139   2018/10/29(月) 23:08:11

第12話 築地 えび金


140   2018/10/29(月) 23:15:18

今日はここまで。なお、その他はこんな感じです。

2 まぜそば三ツ星
恐らく日本にほとんどない鯨のまぜそばがあります。その他、鴨や鰤、ベジタリアン用の品も。
スプーンとフォークで頂きます。天かすに加え、ピーナッツやバナナチップスも入っているなど奇想天外なまぜそばです。
3 破顔
トキのあれではありません。ニンニクたっぷり、鰹節たっぷりに炙ったチャーシューがゴロゴロしてます。
極めて男らしい、ジャンク感あるまぜそばです。なお、開店当初から一時期通ってました。
4 豚星。
3回目ぐらいの候補登場です。実はまぜそばもあります。台湾まぜそば塩などの派生メニューも。
なお、やっぱりインスパイア系なのでボリュームは凄いのです。


142   2018/10/30(火) 12:31:15

「築地のえび金だな。年末の買い出しに連れていったんだったか」

「そうでち。あれが初デート……だったんでちかね?」

※コンマ下、!random
00~50 いやいや、潜水艦班で行っただろ
51~85 いやいや、○○と一緒に行っただろ(再判定)
86~100 あー、うん。そうかもな……



143  2018/10/30(火) 12:39:31



144   2018/10/30(火) 12:58:22

「いやいや、潜水艦班で行っただろ。まだ何人かは着任前だったが。
仮にお前とサシで行ってたら、扶桑とかが警戒しまくってただろ」

「あー、そうかもでち。すっかり忘れてたでち」

すっとぼけとるな。まあ、大方俺の方ばっか見てたんだろうが。

「しかし築地も豊洲に移転して、すっかり変わっちまったのかな。『井上』は焼けちまったし」

「……『井上』ってあの『井上』ですか??焼けたって何が……」

浜風が慌てて訊いてきた。

「火事だよ、覚えてないのか。17年に築地で火事があったんだが、その火元でな。今も復活できてない」

「あー、あそこでちか?焼けちゃったんでちか……」

「井上」はえび金と双璧を為す築地のラーメンだった。醤油の効いたトラディッショナルな中華そばだった。
朝からやってるのでも有名で、観光客はもちろん市場関係者にも愛されていた店だ。残念ながら、その姿はもうない。

「まあとにかく、築地に行ってみるか。今度の休みは空けてくれるか」

「ええ、もちろん」


145   2018/10/30(火) 13:09:02

#

「相変わらず凄い観光客でちね」

昼時に築地に行くと、そのほとんどが外国人観光客だった。築地市場の本体は既に豊洲に移っている。
外郭にある商店や飲食店はそのままだが、仕事終わりに昼から一杯やっている市場関係者はまばらだった。
確かに、築地の空気は少し変わってしまっているかもしれない。

「まあな。ただ、築地内部のあのカオスな感じはもう味わえないか」

「入ったことがあるんですか?」

「全舷用の活け作りネタの調達だな。うちも大所帯だから、まとめて買うにはホテル任せというわけにはいかんかったのだ。
大学卒業後にラーメン屋をやろうとした時、ある仲卸と仲良くなってな。そいつんとこに行ってた。もう豊洲に行っちまっただろうから、ここじゃ会えないが」

築地は取り壊しが進んでいる。ネズミの大脱走が問題になってるらしいが、元の築地は老朽化がかなり酷かった。
あのダンジョンのような市場がなくなるのは寂しいが、これも時代の流れかもしれん。

※コンマ下、!random
00~20 通常進行
21~40 ……??
41~75 ……あれは??
76~100 おーい


146  2018/10/30(火) 13:10:58

えい
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147   2018/10/30(火) 13:16:39

俺は辺りを見渡す。吉野家1号店も潰れちまったんだったな。……ん?

「どうしたんでちか?」

「いや、あそこに艦娘っぽいのがいたと思ってな。……ほら、あいつ」

俺は向こうにいた奴を指差した。

※安価下1~3で最も!randomが小さいものを採用。
!randomの数値で正体を決めます。

00~40 ……どうにも様子が変だな
41~60 ……どうにも様子が変だな……ん?
61~100 鎮守府の艦娘


148  2018/10/30(火) 13:25:21

えい


149   2018/10/30(火) 13:32:58

※艦娘を指定してください。
(悪役になる可能性があります)


151  2018/10/30(火) 13:38:31



154   2018/10/30(火) 17:34:53

そこにいたのは、小柄な少女だ。トレードマークの帽子こそ被ってないが、あれは暁にとてもよく似ている。
とはいっても、うちのじゃないな。あんなに落ち着き払って歩くようなやつじゃない。そもそも、うちのは第六駆逐隊の連中と大体一緒だ。

赤の他人と目線を切ろうとした時、妙なことに気付いた。

「……どうにも様子が変だな」

暁は辺りを舐めるように見渡している。まるで、獲物を探す肉食獣のようだ。目は細められ、異様さを感じさせる。

「ですね。普通の艦娘ではない。どうしますか?」

「もう少し様子を見よう」

ある程度距離を置き、尾行に入る。暁の歩く速度は緩やかで、どこかに寄る様子はない。

00~15 ?????
15~40 急に走り出した
41~70 何かを警戒しているようだ
71~80 地下鉄の駅の方に向かっている
81~95 ……あいつは?
96~100 あんたたち、何者?


156  2018/10/30(火) 17:39:32



157   2018/10/30(火) 17:50:24

暁は時折足を止め、何かを警戒しているようだ。

「尾行に気付かれたでちかね」

「どうかな。……ただ気になるな。呉第2鎮守府から消えた艦娘のうち、一人は暁だった。あるいは、あれがそうかもしれん。
浜風、念のため警察に連絡を。俺たちで尾行は続ける」

「了解しました」

観光地たる築地は、言うまでもなくテロの厳重警戒区域だ。某新聞社が近いというのもある。恐らく、暁は厳重マークされるだろう。

そして、彼女は通りの奥の方に向かった。一応、あの辺りにえび金はあるが今はそれどころではない。

暁が立ち止まった。

00~20 突如艦装を展開してきた!
21~60 懐から包みを落とした
61~80 そこの君、止まりなさい!
81~90 暁はスマホを取り出した
91~100 えび金に入っていくぞ?

※コンマ下、!random
http://u111u.info/jT66

158  2018/10/30(火) 17:53:37



160   2018/10/30(火) 18:00:46

暁はスマホを取り出した。誰かに連絡だろうか。遠くて会話を聞くことはできない。

「……普通の艦娘かもしれないが……さてどうしたもんかな」

「難しいでちね。そもそも艦娘ですらなかったらなかなか恥ずかしいでち。ただ、普通の女の子とも思えないけど……」

俺はもちろん、ゴーヤ相応の訓練を受けた軍人だ。那珂とまではいかずとも、一般人よりは大分強い自覚はある。
だが、もしあの暁が深海棲艦としたら……怪我の一つや二つは覚悟した方がいいだろう。

さて、どうする?

1 身分を明かして事情を話す
2 こちらもただのカップルの振りをして道を聞いてみる
3 なおも様子を見る

※安価下3多数決、決まらない場合は安価下4で決定


161  2018/10/30(火) 18:01:15

2


162  2018/10/30(火) 18:03:35

2


163   2018/10/30(火) 18:10:27

……警戒されては元も子もないな。

「ただのカップルの振りをして話しかけてみよう。何もないならそれでいいし、妙な様子を見せたら動けばいい。どうだ?」

「了解でち」

ゴーヤが俺の腕をむんずと掴み、腕を組んで引っ付いた。……何気にベタベタしたがるよな、こいつ。

ゆっくりと暁に近付く。そして、できる限りの作り笑顔で呼び止めた。

「あ、ちょっとそこの君。少し道に迷ったんだけど、いいかな?」

暁は……

00~20 艦装を無言で展開した!
21~40 あからさまに無視した
41~60 何、あなたたち
61~80 どうしたのよ
81~100 さっきから尾行してたでしょ

※コンマ下、!random


164  2018/10/30(火) 18:12:07



165   2018/10/30(火) 18:20:13

暁は無言で艦装を展開してきた!どこから?そもそもこの往来でぶっぱなす気か??

だが、これでこいつの正体はほぼ確定した。呉第2鎮守府から消えた奴だ。

「行くぞっ!」

俺とゴーヤは瞬時に左右に分かれる。的を絞らせないためだ。
暁はギュインとゴーヤの方を向いた。まずは弱そうな女からということか?

「なめんなでち!!」

00~05 ?????
06~15 砲撃がゴーヤの肩を貫いた
16~50 砲撃がゴーヤの脇腹をかすった
51~70 砲撃より一瞬早く、ゴーヤが腹を打った
71~98 砲撃より一瞬早く、ゴーヤがハイキックを見舞った
99~100 はいそこまでー
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167  2018/10/30(火) 18:36:28

そらー


170   2018/10/30(火) 18:46:14

中断します。その前に一つだけ判定を。

00~70 提督は素手
71~95 提督は銃所持
96~100 対深海棲艦用特殊弾所持

※コンマ下、!random


171  2018/10/30(火) 18:54:21

おつです


173   2018/10/30(火) 21:12:43

砲撃より一瞬早く、ゴーヤが暁の腹を打った。……しかし。

「っ痛!!」

ゴーヤが飛び退く。砲撃は外れ、アスファルトを抉った。
深海棲艦の装甲は鋼鉄より硬い。生身で破壊するのは不可能に近い。だから、ゴーヤの一撃がダメージを与えられる可能性は薄い。それは知っている。

なら、なぜゴーヤは打撃に出たのか?それは……

「隙あり!」

俺は暁の後ろから掴みかかり、裸絞めに出た。
今日はオフだ。普段携帯しているニューナンブはない。有効な打撃を与えられない以上、俺たちだけでなんとかできるとは初めから思っちゃいない。

だが、足止めなら。

これは、少しでも時間を稼ぐための攻撃だ。交互に攻撃を仕掛け、応援が来るのを待つ。
もう少しで、浜風が警官隊を連れて来てくれるはずだ。

※コンマ下、!random
00~20 グハッ!!
21~65 うおおっ!?
66~90 どうしました!?
91~97 タァン
98~100 う、うぐう……


174  2018/10/30(火) 21:13:21

はい


176   2018/10/30(火) 21:21:49

「どうしました!?」

向こうから声がする。浜風だ。

「グ……グァアア!!!」

暁は首の力だけで俺を投げ飛ばす。予期していた俺は、即座に受け身を取った。

「ありがたい!!こいつが例の暁だ、攻撃を受けた」

「了解です!」

浜風が銃を構える。後ろから10人ほど、防弾チョッキを着た警官がやってきた。

暁は素早く目線を巡らす。そして……

00~05 ?????
06~25 カノン砲が増えた??
26~50 消えた??
51~75 キサマラ……
76~90 キサマラ……「撃てぇ!!!」
91~98 キサマラ……「沈みなさい!」
99~100 はいそこまで


177  2018/10/30(火) 21:23:03

あいあい
http://u111u.info/jT66

178  2018/10/30(火) 21:23:03



179   2018/10/30(火) 21:27:44

一瞬、眩い光が走った。次の瞬間……暁が消えた??

「……なっ……!!?」

俺たちは辺りを見渡したが、気配はない。逃げられた??

「何をした??どこへ消えた??」

「こんな技術を深海棲艦が持っているなんて、聞いたことが……」

※コンマ下、!random
00~10 上だ!!
11~40 通常進行
41~80 これは……スマホ?
81~95 これは……スマホと包み?
96~100 浜風!後ろでち!!


180  2018/10/30(火) 21:28:46



181   2018/10/30(火) 21:40:59

暁がいた場所には何もない。手掛かり、なしだ。

「クソォォォ!!!」

俺は吠えた。吠えたところで何になるものじゃないが、吠えずにいられなかった。ゴーヤも涙目で唇を噛んでいる。

「小泉中佐……」

「分かっている。あんなのは読めねえ。分かっちゃいるが……」

悔しさと怒りで頭が一杯になりそうになるところを、俺は無理矢理押さえ付けた。
あの暁は、この場所で電話をしていた。誰に?何のために?
常識的に考えれば応援だ。ならこの場所で何故電話をした?

「……浜風、応援を増やしてくれ。大至急だ。多分、増援が来る。防衛省にいる艦娘は、君だけじゃないだろう?」

「ここを戦場にするつもりですか?」

「無関係な市民が殺されるよりはましだろう。まぜそばを食うつもりが、とんだことに巻き込まれたな」

#

※コンマ下、!random
00~10 向こうの増援が先に来る
11~90 こちらの増援が来る
91~97 こちらの増援が来る、ただし……
98~100 ……え??


182  2018/10/30(火) 21:41:32



183   2018/10/30(火) 21:59:21

30分後。築地旧市場近辺は立ち入り禁止区域となった。自衛隊、警察車両が何台となくやって来る。
そのうちの一台、黒のクラウンから小柄な眼鏡の男が現れた。飯綱義兄さんだ。

「隆君、面倒に巻き込まれたものだね。ついてるのか、ついてないのか」

「間違いなく後者ですよ。プライベートの息抜きが台無しだ」

「全くだね。ただ、尻尾を捕まえたという意味では手柄とも言えるかな」

義兄さんは空を見上げた。

「急に消えた、と言ったね」

「ええ。光ったかと思うと瞬時に。心当たりが?」

「ある。艦娘を対象にした、新しいペイルアウト(緊急脱出)方法がそうだと聞いている。大破した艦娘を撤退なしにその子だけ元の鎮守府に戻す方法であるらしい。
その暁も、一旦戻ったということだろう。そこから増援を引き連れてくるか、あるいは仕切り直すかは僕には読めないが」

「……ということは?」

義兄さんの、眼鏡の奥の目が鋭くなった。

「技術ごと向こうに流れていたということだね。それと、東山大佐。本物はさっき、死体で発見されたよ。鎮守府の裏に埋められていた」

俺は長い溜め息をついた。

「洒落にならないですね。しかも、まだ脅威は去ってないと」

「そういうことだね。……増援が来たようだ」

バスから何人か、艦娘らしき女性が降りている。

「俺たちはどうすべきですか?」

「本来はオフだ。戻ってくれて構わない。浜田君も同様だ。ここは僕たちに任せてくれ」

1 はい(結果はコンマで、実食仕切り直し)
2 いえ、残ります(続行、展開次第で店変更)

※安価下3多数決


184  2018/10/30(火) 22:00:24

2
http://u111u.info/jT66

185  2018/10/30(火) 22:22:50

1


186 名無しさん@おーぷん 2018/10/30(火) 22:28:01

2


187   2018/10/30(火) 22:51:35

「いえ、残ります。俺にも責任はありますから」

義兄さんは苦笑した。

「そう言うだろうと思ったよ」

彼は懐から拳銃――通常のニューナンブとは違う――を取り出し、俺に手渡した。

「対深海棲艦用に特殊弾を装填してある。人間でも多少は有効打になるはずだ。それと、後藤君にはこれを」

クラウンのトランクにはスーツケースがあった。ひょっとするとこれは?

「艦装でちか??」

「そう。君は支援射撃が中心になるだろう。陸路でここを狙って来た場合、隅田川から支援射撃をしてもらうことになる。そのための試製晴嵐だ」

どうも艦載機まで用意していたらしい。潜水空母の搭載数はたかが知れているが、奇襲には向く。そういう役割か。

「了解でち。でも、素直にここを狙うでちかね。テロをやろうにも、もう意味がない気が……」

「ここだけじゃなく、都内の各所が厳戒態勢になってる。国会議事堂、霞ヶ関、新宿、スカイツリー……警備は万全だ。
ただ、築地を狙いに来た理由は多分何かがある。観光客や新聞社狙いだけじゃない何かだ。すまないが、しばらく付き合ってほしい」

ゴーヤは力強く頷いた。

#

※コンマ下、!random
00~30 突如、轟音が響いた
31~60 銀座方面から何か来ます!!
61~95 ……来ないですね
96~100 ?????


188  2018/10/30(火) 22:51:57

はい


193   2018/10/31(水) 13:06:54

#

1時間後。

「銀座守備隊から入電っ!東銀座方面から不審な女が防衛隊の呼び掛けを無視して通過!艦装を展開、マル対と思われます!!」

「被害状況は??」

「負傷者数人、死者はいませんっ。あと5分ほどでこちらに来ます!!」

あくまで築地に来ることが目的ということか?一体何が……
しかし、ゴチャゴチャ考えている暇はない!!

「指揮は君に任せる!!いいな!?」

「ブリーフィング通りに!ではゴーヤは隅田川へ、後方支援を!本体は防衛線死守!!Xポイントに到達次第、頭上から狙撃隊は発砲を!」

俺は指揮を取りながら、最終防衛ラインを守る。来るなら……来い。

※安価下4まで防衛ラインを担当する艦娘を設定します。(2枠はゴーヤ、浜風)
なお、コンマによりますがこの後も登場するかもしれません。


194  2018/10/31(水) 13:18:32

能代


195  2018/10/31(水) 14:02:42

鳥海
http://u111u.info/jT66

197  2018/10/31(水) 14:12:06

筑摩


200  2018/10/31(水) 15:38:02

龍驤


202   2018/10/31(水) 20:47:58

向こうから凄まじい勢いで6体の艦娘……いや、深海棲艦が突っ込んできた。
見た目は長門、加賀、赤城、阿賀野、春雨、そして暁に見える。……この面子だと、少々厳しいかもしれない。

「制空権は多分取られる!皆、気張りや!!」

ベテランらしい龍驤が叫ぶ。

「了解です!右翼は私が、左翼は鳥海が守ります!浜風、能代、耐えられる?」

「回避に専念すれば!適宜ゴーヤさんからの援護射撃があるはずです、その隙を突きます!!」

浜風が艦装を展開した。超高度には、太陽を背にする形でゴーヤの試製晴嵐がいるはずだ。
ここぞという時に急降下し、一気に食いちぎる。そのためのゴーヤだ。

長門が41cm連装砲を構える。食らったら一たまりもない。俺はトランシーバーを口に当てた。

「狙撃班、ファイア!!!」

※コンマ下、!random
00~20 えっ……
21~40 思ったより、速い!!
41~60 直撃した……が
61~90 ヌウ……!?
91~98 長門がふらついた。マスクが剥がれている
99~100 ガアアアアッッ!!!!


203  2018/10/31(水) 20:48:29

はい


204   2018/10/31(水) 20:59:18

集中砲火が直撃した……が。長門は一瞬動きを止めた程度でそのまま砲火を始めた。浜風と能代は、すんでのところで避ける。

ドゴォォォン!!!!

クレーターのような穴が、交差点に開いた。

「やはり足止め程度にしかならんか!!航空戦は??」

「やっぱ不利や!!奴さん、ロングレンジに足を止めるつもりやで!!!」

遠距離で削り、こちらがボロボロになったところを軽巡と駆逐艦3体で仕留めるという肚か。やはり、統制が取れた作戦行動だな……。

「暫く回避で耐えてくれ!軽巡と駆逐艦が来た時には全力で潰せ、残り3体に数的優位を作るぞ!!」

※コンマ下、!random
00~10 被害甚大
11~30 戦況不利
31~50 戦況やや不利
51~70 膠着
71~95 来たぞ!!
96~100 ??????


205  2018/10/31(水) 21:00:14



206   2018/10/31(水) 21:05:17

ロングレンジからの砲撃と爆撃を、5人はひたすら避け続ける。道路は完全に穴だらけ、周辺の建物も半壊状態だ。
こちらの攻撃は控えていた。まだ、阿賀野らの特攻隊は後方に控えたままだ。

浜風の顔を見ると、疲弊した様子が見えつつある。いつまでもこの猛攻を凌ぎれるものでもない。削られるのが先か、向こうが痺れを切らすのが先か……

1 ゴーヤを使う
2 まだ耐える

※安価下
http://u111u.info/jT66

207  2018/10/31(水) 21:16:00

2


208   2018/10/31(水) 21:21:31

いや、まだ勝負所はここではない。もう少し耐えてからだ。

「我慢比べだ、すまないがもう少し頑張ってくれ!」

「了解です!!」

筑摩が応える。攻撃は苛烈だが、いつまでも続くはずはない。そろそろのはずだ……

※コンマ下、!random
00~05 えっ
06~15 能代大破
16~40 膠着
41~95 来たぞ!!
96~100 加勢する!!


209  2018/10/31(水) 21:22:05

はい


210   2018/10/31(水) 21:26:18

「来たぞ!!」

砲撃が弱まった刹那、3人が一気に突っ込んできた!!

「この時を待っていた!!集中砲火用意っ!!!」

溜めに溜めていた弾薬を、5人が一気に解放する!!

※コンマ下、!random
00 え……
01~15 1体取り逃がす
16~30 膠着
31~90 殲滅
91~99 殲滅+後方に大打撃
100 ??????


211  2018/10/31(水) 21:27:06

どう


212   2018/10/31(水) 21:38:16

「逝けやぁああ!!!」

龍驤が吠える。歴戦の強者であるらしい5人の砲撃は、極めて的確に3人――いや、3体の身体を破壊した。

「目標撃破確認!!!後方の戦艦級、空母級2体に目標変更!!」

「よしっ!!攻撃を継続せよ!!」

浜風と能代が敵陣に突入し、それを龍驤たちが補佐する。このタイミングで、隙を見てゴーヤを動かせば……

「てーとく」

妙に冷静な声がトランシーバーから聞こえた。

「どうした?すぐに試製晴嵐を……」

「向こうのビルの陰でち。あれは……提督でち。それも、向こうの」

「……何???」

そんなはずはない。ここは戦場だ。一般人が入り込む隙間など……

「でも間違いないでち。指示を送ってるでち。今なら……」

「……行け」

太陽の光を背に、たった一機の試製晴嵐が急降下する。当然、極めて見えにくい。そしてそれは長門の遥か後方にいる「何か」に向かい……



タタタタタタッッッ!!!!



機銃の一斉掃射を加えた。


213   2018/10/31(水) 21:49:06

その次の瞬間。

「「「ア、アアアアアァァァァァ?????」」」

困惑と苦痛と絶望が混じったような悲鳴が聞こえた。後方にいる3体の声だ。

浜風と能代は、その隙を逃さない。至近距離からの砲撃を腹部に。残った長門は呆然と立ち尽くしている。

「脚部、腕部を撃ち生け捕りにしろ」

「了解」

能代が静かに言う。あっという間に手足の自由は奪われ、長門はその場に倒れた。
マスクの下には……戦艦水鬼。やはりか。

「ゴーヤ、そっちの首尾は?」

※コンマ下、!random
00~05 消えたでち
06~50 死んだでち
51~100 まだ辛うじて生きてるでち
http://u111u.info/jT66

214  2018/10/31(水) 21:49:25

はい


215   2018/10/31(水) 22:25:57

「……死んだでち」

「そうか」

艦載機を使う艦娘は、それを通して物を見ることができる。生身の人間が試製晴嵐の機銃掃射を食らえば、生きているのはまずあり得ないことだった。死体は、恐らくは原形を留めてないだろう。

「生け捕りにできればよかったでち……。人の形をしたものを撃って殺すのは、さすがに気分が良くない、でち」

「仕方ない。それに、お前がやったお蔭でこちらは無傷だ。間違いなく、最大の功労者はお前だ、ゴーヤ」

「……でち」

複雑そうな声色でゴーヤは答えた。ともあれ、戦闘は終わったのだ。

#

そこから先は、また大変だった。うるさいマスコミの相手は防衛省のスポークスマンがやってくれるが、事情聴取に次ぐ事情聴取には閉口した。
のんびりえび金のまぜそばを食って、浜風と別れた後は銀座で旨い焼き肉でも食って、家に帰ってゴーヤとイチャイチャする俺の休日プランは、完全にパアだ。

ただ、とにかく今は寝たかった。こんな心身に来る指揮は、今まで初めてのことだった。

#

「御苦労だった。まず、心から感謝したい。ありがとう」

翌日。防衛省の会議室で、義兄さんが頭を下げた。

「いえ、やることをやっただけです。それに、俺があの駆逐棲姫を取り逃していなかったら、ここまでの大事にはならなかった」

「それでも君は英雄だ。テロを防ぎ、撃退した。今、別室で聴取を受けている後藤君共々、何らかの褒賞が与えられるだろう。少将への2階級特進も検討されているらしいぞ」

「やめてくださいよ、管理職は性に合わない」

義兄さんがふふっと笑った。🍪🍬🍪


216   2018/10/31(水) 22:40:30

「で、今ゴーヤは聴取を受けていると。あの提督のことですか」

「そうだ。彼は……死んだはずの男だ。いや、実際にそうだったらしい」

「どういうことです??」

ふう、と彼が溜め息をついた。

「開戦初期の被害が大きかったのは覚えているだろう。君の前の奥さんも、それで亡くなった」

「ええ。対処法も分かってなかったですから。……彼がその時の犠牲者だと?」

「そうだ。無茶な作戦も多かったからな。彼は空自の皆本一尉だ。硫黄島攻略作戦で亡くなっていたはずだ」

俺は首を振った。嫌な思い出だ。

「……死して亡霊に取りつかれ、復活した。深海棲艦と同じ原理ですね。噂になっていた深海提督は実在したわけですか」

「……ということになる。問題は、深海提督が複数いるのか否かだ。さらに言えば、内通者がいる可能性は否定できん。マスクの材質は、最新型の艦装の素材でもあったそうだ」

「……ということは、やはり」

「まだ危機は去ってない、ということだ。戦艦水鬼の聴取が上手く行くといいが」

その時、ドアがノックされた。入ってきたのは、浜風だ。

※コンマ下、!random
00~40 収穫なしです
41~70 少し、情報が
71~90 口を割り始めました
91~100 ???????🎃🍬🍭


217  2018/10/31(水) 22:41:17

あ👻🍭👻


221   2018/11/01(木) 21:07:41

「失礼します。飯綱課長、長門の聴取終わりました」

「どうだ、多分口は割らんだろうが」

「ええ。ただ、妙なことを」

義兄さんの眉がひそめられた。

「妙なこととは?」

「『築地に眠る怨念を海へ返すのだ』とか口走ってました。どういうことでしょうか?」

「怨念?……隆君、心当たりは」

「……いえ。どういうことでしょう」

俺は考えた。築地の怨念?まさか豊洲移転に関わることではあるまい。
だが、明らかに彼女らはここを狙っていた。何かがあるのは間違いない。そもそも、軽巡棲鬼が沖縄に現れたのは、本当に大会を狙ったテロだったのだろうか?

……まさか。

「築地市場は、太平洋戦争で空爆を受けたのでは」

義兄さんがハッとした。

「……そうだ。築地を中心とした下町は、東京大空襲での被害が甚大だったと聞く。とすると」

「一昨日の軽巡棲鬼も、あるいは。戦時中の被害が大きかった場所を狙っている可能性があります。
そうなると、何故呉に身を潜めていたかも理由がつきやすい。近くには広島がある」

「なるほどな……しかし、怨念を集めてどうする?深海棲艦の力にでもするつもりだろうか」

「あるいは。深海棲艦の勢力も、太平洋中央に押し込められています。中核戦力は依然強大ですが、数は減っている。
そこでこういう手段に出たとすれば、理屈は通ります」

義兄さんが腕組みをした。

「後は内通者、そして深海提督の存在か……」

そこにゴーヤが疲れきった表情で現れた。


222   2018/11/01(木) 21:12:44

「疲れたでち……何か精のつく、美味しいものが食べたいでち……。あ、飯綱課長」

慌てて直立不動の姿勢になる。義兄さんが苦笑した。

「僕の前ではそこまでしなくていい。身内になるわけだからね。そっちはどうだった」

「根掘り葉掘り聞かれて面倒だったでち。見た以上のことは話せないし話しようがないって言ってるのに」

※コンマ下、!random
00~70 通常進行
71~90 ただ、気付いたことがあるでち
91~100 ただ、一つ思い出したでち


223  2018/11/01(木) 21:13:27



224   2018/11/01(木) 21:19:51

「まあ今日はこれで解放されるはずだ。僕が上に話は通している。一日遅れのオフを楽しんでくれ」

「義兄さんは?」

義兄さんは肩をすくめた。

「全部終わったら2~3週間くらいまとめて休みを取るさ。どうせ舞鶴に行ったり、来華のご機嫌を取ったりするぐらいだが」

この人も大概にタフだな。一度、労いの会でも設けようか。

「緊急招集された龍驤たちもオフらしい。もし良ければ、合流するのもいいだろうな」

1 そうですか、なら
2 いえ、元の予定通りに

※安価下3多数決


225   2018/11/01(木) 21:28:04

なお1だと目的地が再設定される可能性があります。


226  2018/11/01(木) 21:33:52

2


227  2018/11/01(木) 21:36:21

1


228  2018/11/01(木) 21:37:07



229   2018/11/01(木) 22:12:00

「そうですか、ならせっかくなので。ゴーヤ、いいか?」

「いいでちよ。少し話したけど、なかなか楽しい人だったでち。というか、あの司会の龍驤さんと同じ人だったでち」

「へ??そうなのか」

こいつは予想外だった。確かに似てるとは思ったが、同じ龍驤で顔が似てるだけかと思っていた。

「龍驤たちなら確か1階ロビーにいるはずだ。早くしないと置いていかれるぞ」

#

「お、来た来た」

龍驤が小さい身体で目一杯手を振っている。服装こそラフなジーンズにジャケットだが、何故かサンバイザーだけは着けたままだ。

「すまん、待たせたな。昨日は助かった、改めて礼を言う」

「ええ、ええ。うちらもあんたの指揮に助けられたんや。そこの嬢ちゃんの機転もグッジョブや。さすがあの那珂のいる鎮守府だけあるわ」

「いや、あれだけの戦力差で無傷で耐え抜くというのは相当な練度だ。恐れ入ったよ。……で、どこに行くつもりだ?」

1 あんたの好きなとこでええよ(目的地変わらず)
2 そやなあ、池袋にでもいこかな
3 そやなあ、渋谷にでもいこかな
4 そやなあ、新宿にでもいこかな
5 面倒やから、防衛省(市ケ谷)近辺で茶でもしばこかな

※安価下5多数決
※2~5だとえび金は後回し&描写あっさりめになります


230  2018/11/01(木) 22:15:30

1


231  2018/11/01(木) 22:24:59

1


232  2018/11/01(木) 22:29:54



236   2018/11/02(金) 13:02:08

「あんたの好きなとこでええよ。気晴らしにぱーっとできればそれでええわ。な?」

龍驤が鳥海を見た。

「ええ。久し振りの実戦で少々疲れましたし。どちらに行かれますか?」

「あー、元々浜風の取材で俺とゴーヤが初めて行ったラーメン屋に行くつもりだったんだよ。また築地になるが、いいか?」

「いいですけど、通行禁止になってないですかね?」

「それはさっき確認した。ラーメン、それと海老がダメな奴はいるか?」

誰も手をあげない。

「なら決まりだな。それと、築地少しぶらぶらしたら打ち上げやるか」

「まさかお寿司でちか??」

「んー、まあ寿司っちゃ寿司かな……ま、まずはラーメンだ」

#

俺たちは「暁」と出会った裏路地に出る。戦闘による通行止め区域もあって観光客はやや少ないが、それでもそこそこは人がいる。

やがて、一枚板の堂々とした看板が見えてきた。「自家製海老麺」とある。海老の中にいるような錯覚を覚えさせるほどの濃厚な香気が鼻をくすぐる。

「小泉中佐、すごい香りですね……ここが?」

「おう。俺とゴーヤが初めて行った店だ。とはいってもサシじゃないが」

俺は能代に答える。ゴーヤは懐かしそうに看板を見上げていた。

「久し振りでちね。変わってないでち」

「一つ訊いていいですか?何故この店を」

浜風が俺を見た。


237   2018/11/02(金) 21:34:21

「ありゃあ確か……」

「てーとくが悪いんでち。調子に乗って本マグロとか何やら買いまくるから、予算が尽きちゃったんでち。で、残りで食べられるとこを探してたら、ここに行き着いたってわけでち」

店の行列は5人程度だ。この分ならすぐだろう。

「へえ、小泉中佐にもそんなところがあったんですね。ちょっと意外」

「むしろ仕事以外じゃてんでダメでち。トイレの電気は付けっぱなし、服は脱いだら脱ぎっぱなし……。てーとくはもっとゴーヤに感謝するでち」

能代の言葉に、ゴーヤが俺を睨んだ。

「まあそう言ってくれるな。で、お前らは何食べる?俺とゴーヤ、浜風はまぜそばにするが」

「そうですね、私はこの濃厚味噌海老そばを。龍驤さんは?」

「せやな、うちもそれで。鳥海は」

鳥海は味噌、能代は醤油味の海老そばを選んだ。

「しかしここの売りは醤油か味噌の方やろ。なんでまぜそばやったん?」

「いくつか理由がある。まず、当時こいつはバルジに悩んでたってのがある。まぜそばのカロリーは低めだからな。
あと、まぜそばはこのサイトのワンコインランチ会員なら500円だということ」

俺はスマホを見せた。使える店舗は限定的だが、結構馬鹿にならない。

「あとは単純に、こっちの方が旨いからだ。何せ『自家製海老麺』だからな」

「海老麺?何や、麺に海老でも……」

「その通り。ここ、甘エビの頭から出汁を取ってるんだが……何と50匹を1杯に使ってる」

龍驤たちの顔色が変わった。

「「「50匹!??」」」

「そう、50匹。多分加工用甘エビの頭だから原価は高くないが、それでも尋常じゃない量だ。んで、その出し殻を砕いたのが麺に練り込まれてる。
つまり、麺の味を楽しみたいならまぜそばの方がいいわけだ」


238   2018/11/02(金) 21:50:18

「そもそも何でまぜそばって流行ってるんでちか?つけ麺に近い理由でちかね」

「んー、多分単純に原価がかからんからだな。ラーメンの原価の大体はスープだから、それがないまぜそばや油そばの利益率は確か高い。
ただ、麺の味で勝負したいと考えてたり、食感の違いをより味わいたいならまぜそばは決して悪くないんだわ。
スープの水分で味がボケないから、味の強い調味料や具材ならこっちの方がダイレクトに旨さが分かる。ここみたいにな」

行列がなくなり、店内に入る。券売機で食券を買って渡すこと数分で着丼だ。

「これは……まさに海老ですね」

「だろ?具も小エビの素揚げだ。じゃあ食うとするかな」

啜る。その時、口の中で海老が一気に弾けた。

「おおっ、ホンマに海老や!!海老のそばや!!」

龍驤が立ち上がって叫んだ。隣の筑摩もうんうんと頷いている。

「濃厚ですね。これ、味噌だけじゃなく海老の頭の味噌も入ってそう」

「本当ですね!海老好きには堪らないですねえ」

能代は旨そうに麺を啜る。スモールポーションだからか、俺のまぜそばはすぐになくなった。

「小泉中佐、この余ったタレは……」

「こうすんだよ。……雑炊セット追加で」

ご飯に薬味が入ったのが出てきた。俺はまぜそばのタレにそれをぶちこむ。

「こうすりゃ無駄もなく、海老の旨味を味わい尽くせるってわけだな」

「いけそうやん!兄ちゃん、うちにも同じのを」

龍驤がぱあっと明るくなって言う。まぜそばの味は、ゴーヤと一緒に来た最初の時のままだ。


239   2018/11/02(金) 21:56:39

#

「ふー食った食った!流石に飯綱課長の義弟、いいとこ知っとるやんか」

店を出ると、龍驤が背中を叩いた。小柄とはいえ、なかなかに効く。

「褒めても何も出んぞ。……っと、じゃあここからしばらく自由行動な。1730に旧市場入口に集まってくれ」

皆思い思いに散らばっていく。俺とゴーヤだけが残った。

「……さて、どうする?」

「どうするもへったくれもないでち。4時間どうやって時間使うでちかねえ」

1 築地をブラブラする
2 銀座方面に行く
3 六本木に行

※安価下3、多数決


240 名無しさん@おーぷん 2018/11/02(金) 22:01:05

2


241  2018/11/02(金) 22:04:42

2


245   2018/11/03(土) 23:31:26

「銀座にでも行ってみるか。少々歩くが」

「銀座?お金はあるんでちか?」

「んなもんはない。ただ、ウインドウショッピングも悪くねえな、とな」

ゴーヤが俺の腕に引っ付いた。ニマニマしていてご機嫌そうだ。

「まあいいでち。浜風も能代とどっか行ったみたいだし、ちょっとデートするでち」

#

築地から東銀座はそう遠くはない。昔は歌舞伎座があったが、今は近代的なビルと昔ながらの歌舞伎座が合体した妙なビルになっている。
何かこう、風情みたいなもんがないのはどうしたもんか。

「銀座まではどのくらいでち?」

「10分ぐらいかねえ。とりあえず、指輪でも見るか」

「……結婚指輪、でちか」

ゴーヤが頬を染める。

「ケッコンカッコカリの指輪じゃ味気ないだろ?ただ、銀座で買ったら数百万とかしそうだから、あくまで下見だな。
で、適当にお茶して戻る感じを考えてるが、それで構わんか?」

「でち!行くでち!」

歩く速度が気持ち速くなった。妙に乙女だよなあ。

※安価下、!random
00~70 通常進行
71~95 艦娘指定(再安価)
96~100 あれは……?


246  2018/11/03(土) 23:32:22

1


249   2018/11/03(土) 23:48:33

#

「流石に高かったでちね……」

「だなあ。お茶まで出してくれたのに資料だけ持って帰るのはなかなか心が痛むが、ありゃ買えん」

某有名ブランドのブティックを3軒ほど回ったが、俺の報酬でなんとかできる額ではなかった。ていうか高過ぎだろ。
とはいえ、結婚指輪は買わねばならん。給与3カ月分は昔の話と聞くが、何かそこそこの値段でいいのはないもんかねえ。

築地に戻るにはまだ時間がある。スイーツを食うならいくらでも選択肢があるが。
そう思いながら、あてなくフラフラと歩く。そういや、銀座は結構ラーメン屋が多かったな。
別に食べるわけではないが、少しちら見しとこうか。

1 支那麺はしご(担々麺)
2 むぎとオリーブ(醤油メイン)
3 伊藤銀座店(煮干し)
4 篝(鶏白湯、現在閉店中)

※安価下5多数決(0000から開始)


251  2018/11/04(日) 00:03:44

1


252  2018/11/04(日) 00:04:19

3


253  2018/11/04(日) 00:05:50

3


254  2018/11/04(日) 00:06:53

2


255  2018/11/04(日) 00:07:03

2


256 名無しさん@おーぷん 2018/11/04(日) 00:11:05

1


257 名無しさん@おーぷん 2018/11/04(日) 00:11:26

3


263   2018/11/04(日) 23:49:12

#

「結構銀座ってラーメン屋多いんでちね」

ラーメン屋の前を通りがかった時、ゴーヤが呟いた。

「まあな。ただ、増えたのは割と最近かもな。インバウンドが増えたから」

「ああ、納得でち。観光客狙いってことでちか」

「そそ。中でも担々麺が多目な印象だな。老舗の『はしご』があるってのもあるが、中国人狙いなのかもな」

俺の足は銀座6丁目に向かう。確か、あの店の支店がここにあったはずだ。

「ん?ここは……」

「そう、『伊藤』の銀座支店だ。支店っても角館じゃなく王子神谷だけどな。やっぱ外国人客が多いな」

ランチタイムからは外れたが、まだ少し行列がある。アメリカ人と中国人の観光客だ。

※コンマ下、!random
00~25 通常進行
26~50 あれは……(外国艦娘)
51~75 あれは……(以前に登場した艦娘)
76~90 ん?誰だ
91~100 ん?誰……「テイトク!」


264  2018/11/04(日) 23:51:02



265   2018/11/05(月) 08:55:34

寝落ちしていました。人数を決めます。

※コンマ下、!random
00~10 1人
11~70 2人
71~100 3人


266  2018/11/05(月) 08:56:01

はい


267   2018/11/05(月) 08:58:58

外国艦娘を決定します。

安価下1~3、!randomが大きいもの


269  2018/11/05(月) 09:00:28

サラトガ


270  2018/11/05(月) 09:04:28

ガンビア・ベイ


271  2018/11/05(月) 09:06:21

ガングート


273   2018/11/05(月) 14:17:33

「ん?あれは……サラじゃないか?」

行列の一人に見覚えのある顔がいる。艦装こそつけてないが、あの豊かな茶髪と乳は……間違いない。

「あ、提督!ゴーヤちゃんも一緒ですか、奇遇ですね」

「奇遇過ぎるだろ。何で銀座に、しかも伊藤に何で並んでるんだ?」

※コンマ下、!random
00~10 えっとですね……
11~50 My familyが日本にきたので、案内を
51~90 俺は後ろの男に気付いた
91~100 自由指定可能


274  2018/11/05(月) 14:22:01

ほい


275   2018/11/05(月) 14:30:25

※コンマ下、!random
00~05 ?????
06~75 湊整備長か?
76~100 意外な組み合わせだな、滝川警視


276  2018/11/05(月) 15:26:38

はい


277   2018/11/05(月) 21:04:12

俺は後ろの男に気付いた。ひょろっと痩せた、この男は……

「意外な組み合わせだな、滝川警視」

「お、小泉じゃない。久し振りだねえ。聞いたよ、結婚するんだって?そのちっこいのが奥さん予定?」

ゴーヤがむっとした。

「初対面に失礼でちね。ちっこいのじゃないでち。ゴーヤでち」

「あー、ごめんごめん。ついいつもの癖でねえ。紹介が遅れた、僕はこういう者だ」

滝川は「警察庁警備局外事情報部外事課 1係主任 滝川一彦警視」と書かれた名刺を差し出してきた。

「何でこんな肩書きが長いんでち……。そもそも何やってるかさっぱり分からんでち」

「ははは、まあ日本を守る仕事かなあ。ねえ、サラ」

「そうですね。ちょっとノリが軽くて困りますけど」

俺は滝川を見た。

「外事課……深海棲艦対策本部から異動になったのか。……そういうことか」

「そ、そういうこと。で、サラはパートナーってわけだ」

サラが頭を下げる。

「すみません提督、ご連絡しなくって。私のもう一つの仕事に関することでしたので、敢えて連絡はしなかったんですが……」

「あー、まあしゃあないな。CIAと知ってて受け入れてるわけだしな。人類存亡の危機だ、そこは持ちつ持たれつだ」

海外艦は基本、研修に近い形で日本に来ている。ただ、中には「訳あり」のもいる。サラはその一人だ。
米国に艦娘の情報をセレクトして出す代わりに、艦娘適性のあるCIA職員を戦力として受け入れる――それがお偉いさんの判断であるらしい。
もちろん、機密情報を同盟国とはいえまるっと流すわけにもいかない。そこのコントロールという面倒役を俺は背負わされたわけだが、ここまでは問題なく行っていた。
何より、機密だなんだと細かいことを言えないほど、世界は追い詰められていたわけだしな。


278   2018/11/05(月) 21:20:15

「で、滝川が外事課か。米国との共同作戦か、あるいは昨日の件に関する相談ってわけだな」

滝川は軽く笑った。

「ははは、そんな大したもんじゃないよ。多分君たちと同じ、ただのデートさ。ねえサラ」

「私以外の子にもそうやってなきゃいいんですけどね」

サラはぷうと頬を膨らませている。パートナーというのは、どうも公私にわたるものらしい。サラの上司ながら、このことは知らなかった。

ただ、ここに滝川がいるってことは、ただのデートではあり得ない。長年の付き合いだ、それぐらいは分かる。
俺は真顔で滝川を見据えた。滝川の目が、僅かに細められる。

「ちと相談だ。今からいいか」

「昼飯くらい食わせてくれよ。……後で話は聞く」

#

「古い付き合いなんでちか?」

待っている間、ゴーヤが訊いてきた。

「中坊の時からの腐れ縁な。大学まで同じだ。まあ肚の読めん奴だったわ」

「まあ、そりゃ見れば分かるでち。てーとくと気が合うのも、ちょっとだけ分かるでち。適当そうだし」

「あいつほど適当じゃねえよ。ただ、優秀なのは優秀だ。警察庁のエリートコースだしな」

「ふうん……外事課って?」

「スパイの元締めみたいなとこよ。だからCIAとは付き合いがある。多分、昨日の件について話すことがあったんだろ。
そもそも、今日は本来平日だからな。普通のデートなわけがない」

にしても、何で銀座?デートを装う理由は……。

ん、銀座?


279   2018/11/05(月) 21:35:14

昨日の奴らはどこから来た?銀座だ。しかも、銀座では暴れてない。真っ直ぐに築地に向かってきた。
確かに、築地に何かあるのかもしれない。恐らくは怨念の集合体だろうと義兄さんは言ってたが。

ただ、それでは答えの半分でしかない。「何で銀座から来たのか?」その答えがないからだ。

導き出される答えは、ただ一つ。

「……銀座にアジトがあるわけか」

「御名答。あと、ボリュームは下げて。時間は大丈夫かい?」

いつの間にか滝川とサラが店を出ていた。

「ま、少しなら」

「オッケー。じゃあ、ちょっと行こうか」

#

「いやあ、濃厚で旨かったねえ。煮干しなのにえぐみがほとんどなくって」

「そうですね。あんなにJapanese Anchovyが美味しいなんて知りませんでした。そういえば提督はラーメンにお詳しかったですよね?あの店もご存知で」

「まあな。てか大元の角館の店に全舷で行ったよ。多分王子神谷の本店の方が旨いが、銀座の中じゃ旨い方だろ。
最近は観光客向けに銀座もラーメン屋増えたからなあ」

俺はコーヒーを口にした。純喫茶らしいが、人は老齢のマスター以外誰もいない。

「ま、それはそれ。本題に入るか。銀座に深海棲艦のアジトがある、そうだな」

※コンマ下、!random
00~30 それが見つからなくってねえ
31~70 さすが小泉。最後の詰めだよ
71~100 ああ、それなら……


280  2018/11/05(月) 21:38:43

ぬふ


281   2018/11/05(月) 22:27:17

「ああ、それなら……」

「もう見つけましたよ。銀座六丁目、ここのそばです」

「あー、僕の台詞を取るなよ。っと、サラの言う通りだ。開店してからすぐに潰れたラーメン店。その地下にあった」

俺は気持ちを落ち着けるように、もう一度コーヒーを飲んだ。やたらと苦い。

「ラーメン屋?どういうことだ」

「Sを使って探らせたよ。どうも市民団体に深海棲艦と通じてたのがいたらしい。んで、そこに行き着いた。そもそもラーメン屋ってのがカモフラージュだったんだけどね。
当然藻抜けの殻だったが、残っていた資料から色々面白いことが分かった。言える範囲で言えば、まだ深海提督はいる」

「……やはりか」

滝川は頷いた。

「鹿屋第3鎮守府の西口大尉だ。当然、本人は多分死んでる。正体は元陸自の海原一尉。そこのゴーヤちゃんが殺した、皆本とは旧知の仲……というか恋人だったらしい」

「恋人?」

「ああ、海原は女性だよ。そっちの人間じゃない。で、そいつが首謀者だ。どうにも、無茶な命令を出した司令部に異常な恨みを持っているらしいね」

俺は溜め息をついた。

「まさか」

「多分、北島中将だろ。協力者も、彼に恨みを持っている連中だ。ただの反戦団体じゃない。
とはいえ、彼の首を差し出せば終わるかというとそんなわきゃない。恨みをもっと募らせるため、太平洋戦争の被害が大きかったとこに深海棲艦を向かわせ、戦力増強を狙った感じだな」

北島中将を動かすのは、どちらにせよ望み薄だろう。彼は大物になりすぎている。

「しかし、身柄が割れたら潰せばいいんじゃないか?」

「そうもいかない。他にも多分アジトはある。何より海原は女性だ。恐らくは、艦娘適性がある。仮にそれが中枢棲姫級だったら、戦闘になったら昨日の規模じゃ済まない」

滝川の目は、今までになく真剣だ。隣でゴーヤが唾を飲み込んだ音が聞こえた。

「じゃあ、どうすればいいんでち」

「……成仏させることだな。何とかして」

「何とかしてじゃないでち!サラ、何か知ってるでちか?」

※コンマ下、!randomが40以上で知ってる


282  2018/11/05(月) 22:28:15

はい


283   2018/11/05(月) 22:37:22

サラが頷いた。

「ええ。……皆本一尉との幸せな思い出を、思い出させること」

「そう。実はこの二人、硫黄島の件がなかったら自衛隊を辞めるつもりだったんだそうだ。
で、田舎でささやかな飲食店を開くつもりだったらしい」

「それが分かったところで、どうやって思い出させるんだよ」

俺の言葉に、滝川がニヤリと笑った。

「僕はツイてる。サラと『調査』に入った時に、一番おあつらえ向きの人間に出会えたからね。
二人が開こうとした店、実は……ラーメン屋なんだよ」

「……何ぃ!?」

滝川が笑うのをやめた。

「これはこれからの話になる。海原を成仏させる一杯を作ってくれ。
ラーメン屋を志したことがあるお前なら、できるはずだ」


287   2018/11/06(火) 12:40:23

俺は耳を疑った。ラーメンを作れだと??

「はああ!??んなの俺にできるか!!本職に頼めよ!」

「残念ながら、深海棲艦の扱いに長けたラーメン屋なんていないんだよ。お前以外には」

「俺はラーメン屋じゃなくて軍人だっつーの!!サラ、お前からも何か言ってやってくれ」

サラは少し考えて口を開く。

「Well……いい考えだと思います。そもそもこの話、一般人にやらせるには荷が重すぎますし。あとゴーヤちゃんもラーメン作れますしね」

今度はゴーヤが絶句した。

「……ゴーヤも作れってことでちか?」

「夫婦初めての共同作業ってことでいいんじゃないかな?ま、何作るかは任せるわ。マスター、勘定と領収書を」

滝川が腰を上げる。ちょっと待てって。

「つーか何作ればいいかサッパリ分からんぞ!?」

「そりゃあ、二人が作ろうとしてたラーメンだよ。それなら成仏できる。多分」

「んなもん分かるか!!ヒントか何かねーのか!!」

滝川は立ち止まる。

※コンマ下、!random
00~20 うーん、こちらでも探るが考えてくれ
21~95 彼らの故郷のラーメンだろうね
96~98 確か、彼らは慶應出身だったな
99~100 四谷三丁目に行くといい


288  2018/11/06(火) 12:40:46

あい


289   2018/11/06(火) 12:44:39

※海原と皆川の故郷は?

1 燕市
2 白河市
3 高松市
4 熊本市
5 鹿児島市

※各地のご当地ラーメンの話になります。最終回テーマです。
※3票先取


291  2018/11/06(火) 13:19:29

2


292  2018/11/06(火) 13:22:54

1


293 名無しさん@おーぷん 2018/11/06(火) 13:25:40

5


294  2018/11/06(火) 13:37:55



295  2018/11/06(火) 14:01:32

2


297   2018/11/06(火) 21:31:18

「……あるいは、彼らの故郷のラーメンだろうね。福島の白河って聞いた」

「白河か!」

滝川が頷いた。

「ご当地ラーメンの一つだ。僕じゃよく分からないが、君ならあるいは。じゃあ、職務があるんで失礼させてもらうよ。サラ、行こう」

サラが会釈して去っていった。白河か……なかなか面白いじゃねえか。

「白河ラーメンってそんなに有名なんでちか?」

「有名も何も、ご当地ラーメンではかなり上位だぞ。ぶっちゃけ喜多方よりは『当たり』の確率がずっと高い。
しかしシンプルだけに難しいな。素人が作れる味じゃあない」

「シンプル?」

「見た目は昔ながらの中華そばだ。透き通った醤油スープに加水率の高い手打ちの太め縮れ麺。そこにネギやメンマ、チャーシューにナルト、ホウレンソウが入る感じだ。
だが、豚骨と鶏ガラをしっかり煮出した豊潤なスープはただの中華そばじゃああり得ない。何より誤魔化しが効かないんだよ」

「作れるんでちか?そんなもの」

俺はまだ残っているコーヒーを流し込んだ。

「やるしかないだろ。だが、まずは調査だな」

宴会には遅刻しそうだが仕方ない。浜風たちにも協力を頼もう。

#

「なるほどなあ。そんなことがあったんか」

シャクシャクと特大のカキフライをかじりながら龍驤が言った。俺とゴーヤは頷く。

「宴会の途中ですまん。海原か皆本の情報を持っていたら教えてくれ。深海棲艦による被害を拡大させないためにも必要だ」

※コンマ下、!random
00~70 反応はない
71~95 白河、ですか……
96~100 私、福島出身ですよ


298  2018/11/06(火) 21:32:25



299   2018/11/06(火) 21:48:06

「白河、ですか……」

鳥海が鰤の刺身を置いて呟いた。

「心当たりが?」

「ええ。秋田の生まれですけど、親戚が福島にいるので多少は。『とら食堂』で修行したかもしれませんね」

「……!!あり得るな。白河ラーメンの発祥にして最高峰、そこなら……!!」

ゴーヤがうーんと唸った。

「ただ、まとまった休みはすぐ取れないでち。福島に行くなら、準備しないとダメでち」

「確かにな。ただ、そうゆっくりもしてられない」

理想はとら食堂まで行って二人のことを聞いてみることだ。だが、それができるかどうか。そもそも、白河ラーメンの味をどこまで正確に再現できるか、俺には自信がない。

東京か首都圏にいい店はないものか……?

浜風が「あっ」と声をあげた。

「ここはどうですか?」

彼女はスマホを見せてくる。……こんなところに店が?

「これ、ゴーヤが住んでたとこに近いでち。……『白河中華そば』」

「そのものズバリだな。しかもとら食堂直系か。次の休み、行ってみるか」

「でち!!」

#

宴会はそのまま楽しく終わった。あの龍驤が俺とそう歳が変わらないのに仰天したのは、また別の話だ。


引用元:http://engawa.open2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1540211285/