2018/11/10(土) 00:31:21

ある日のこと

カズマ「掃除と手入れのクエスト、完了。やっと終わったぜ」

依頼主「ご苦労さん、ありがとうね」

カズマ「いえいえ、約束の報酬さえ貰えればそれでいいですよ」

依頼主「本当にありがとう。報酬はギルドで支払われるけど、それとは別に…はい、これは私個人からのお礼だよ」スッ

カズマ「これって、肉の塊か!?」

依頼主「そう。それも王族にだけ食べられる最高級の上質肉だよ」

カズマ「えぇーー、王族にだけ、だと!!?」

依頼主「かなり高価で、この肉の塊だけで数千億エリスはするのよ」

カズマ「数千億!? どうりで王族にだけ食べられる訳だ!!」


  2018/11/10(土) 00:35:24

カズマ「でも、こんないいもん貰っていいのか!?」

依頼主「いいんだよ。実は、私の実家が牧場経営で、主に王族にのみ最高級のお肉を売る仕事もしてるからね。まっ、私はいつでも貰えて食べれるし、実家からの貰い物だから」

カズマ「んじゃあ、頂きます!」スッ


  2018/11/10(土) 00:47:10

カズマ「数千億エリスもする最高級の肉、それも王族だけ食べれるヤツか…。」スタスタ

カズマ「いいもん貰ったはいいが、どうするか。アクア達に伝えて一緒に食べるのもいいが、そうしたら…」


アクア『カズマさん、私によこしなさい。あっ、最低半分以上厚く切ってよね!私はかなり食べる方だから』

めぐみん『カズマカズマ、肉ですよ、肉。さぁ、早く私に食べさせるのです。私なら余裕で平らげてみせますから』

ダクネス『ほぉー、私もこのような肉は初めてだ。私の実家でも食べられない代物だからな。なぁ、私に分けてくれないか?』


カズマ「と、なるかもしれない。つまりは…」

カズマ「俺の分がほぼ少なくなるって事だ! 目に見えてる…あいつらは大飯食らいだからな。前だってたくさん注文して俺は食い切れなかったのに、アクア達は三人で軽く平らげたぐらいだしな」

カズマ「俺だって、肉は好きだ。それこそ、目の前に最高級だったら尚更、それなりの量を食べたい」




カズマ「よし、アクア達には内緒で一人で食べるか!」


  2018/11/11(日) 20:34:58

その夜

アクア「っていう事があったのよ~」

めぐみん「それはまた大変でしたね」

ダクネス「ははは、アクアにとってはいつもの事だろ」

カズマ「…………」モグモグ

アクア「だけど、今回のは特に酷いワケで…」

めぐみん「それはアクアの方にも問題があるのでは?」

ダクネス「しかし、アクアもアクアだが、向こうも向こうだろ!」

カズマ「………」モグモグ

アクア「まったく、頭にくるわよ!!」

めぐみん「まぁ、自分と相手で、上手くやるのは難しい事ですよ」

ダクネス「めぐみん、それは自分とゆんゆんの事を思いながらの発言か」クスッ

めぐみん「な、なんで、そこであんなぼっちの話が出て来るんですか!? 今の話と関係ないじゃないですか!!」プンプン

カズマ「………」モグモグ


  2018/11/11(日) 20:42:22

ダクネス「ははは…すまない、すまない……んっ?」チラッ

カズマ「………」モグモグ

ダクネス「?………カズマ?」

カズマ「………」モグモグ

ダクネス「おーい、カズマ?」

カズマ「………」モグモグ

ダクネス「おい、カズマ…一度くらい返事を返したらどうだ?!」

カズマ「………」モグモグ

ダクネス「おい、カズマ!!」ポンッ


カズマ「おわぁっ!!?」ビクッ

ダクネス「っ!?」


  2018/11/11(日) 20:49:40

カズマ「なんだ、ダクネスか…どうした!?」ビクビク

ダクネス「どうした、じゃない! 今日はやけに静かじゃないか、何かあったのか?」

カズマ「あ、いや…なに、その……」

めぐみん「カズマ。何かあったのであれば、ちゃんと声に出さないと分かりませんよ?」

カズマ「う、うん…分かってる、けど…さぁ…」

アクア「なによ、イライラするわね」

カズマ「う、う~ん……えぇと、あっ、俺、明日の朝早いからもう寝るわ。おやすみ~!!」ダッダッダッダ

ダクネス「あ、おい、カズマ!?」

めぐみん「行っちゃいましたね…」

アクア「う~ん、何か様子が変ね…」


  2018/11/11(日) 23:27:01

カズマ「ふぅ~、あぶねえあぶねぇ! ベッドの下に隠した最高級肉の塊、どう調理して食べようか、考えてた最中だから…急に声を掛けられて驚いたな」

カズマ「だけど、それで静かになり過ぎるのもよくないか。おかげで普段は良く喋る事が多いせいか、余計怪しまれたかな…」

カズマ「だが、これでいい。後はアクア達が完全に寝静まった頃に本格的夜食といきます」ゴクリ

カズマ「もちろん、さっきの夕食だって肉に備えて少なめに食べたから、まだお腹が空いてるしな」グゥ~

カズマ「あぁ…楽しみだな///」ワクワク


  2018/11/12(月) 23:44:13

夜中

カズマ「やれやれ。それぞれ寝静まって、腹も減ったし、始めるか」ゴソゴソ

ドンッ

カズマ「まず、このままじゃ大きいから切り分けていくか」スッ

スパスパスパッ

カズマ「んで、焼いてステーキに、後は肉のスープにしたり、野菜もあるから一緒に炒めたりするかな」

ジュージュー
グツグツ
スパスパ、ジュウゥゥーーー
http://u111u.info/jT66

  2018/11/12(月) 23:51:37

カズマ「よし、完成!!」

『肉料理ばかり』ドーーーン

カズマ「うんうん、良い匂いだ!」

カズマ「んじゃあ、いただきます」

カズマ「………」モグモグ


カズマ「!!!………美味い///」パアアァーーー

カズマ「うめぇな! ステーキは肉汁が詰まってて噛み応えも味も最高だ! スープは肉の旨味が出てせいか、良い味だ。それに肉もまた絶品。野菜炒めなんか野菜と肉の味がマッチしてて美味過ぎる!!」モグモグ

カズマ「流石は王族だけが食べる、最高級肉だな!! それに高額なだけはある!」モグモグ


10   2018/11/13(火) 00:09:28

アクア「あ~ら、美味しいそうねぇ~」

カズマ「美味しそうじゃなくて、本当に美味しいんだy………えっ?」チラッ

アクア「」ドン

カズマ「あ、アクアッ!? な、なんで起きてんだよっ!!?」ガタッ

アクア「カズマさんこそ、こんな夜中に起きて、なんで肉料理なんか食べてるのかしら~?」

カズマ「あ、いや……これは!?」

アクア「そもそもこの肉…一体、なによ?」ジィィィィーーーーー

カズマ「だ、から……!?」

めぐみん「やれやれ、さわがしいですね…」

ダクネス「なにかあったのか?」


カズマ「ゲッ!?」


11   2018/11/13(火) 01:05:25

~で~

アクア「美味しいーーっ!!/////」モグモグ

めぐみん「はぁーーー、流石は高いお肉ですねぇ~///」ポオオォーーー

ダクネス「カズマがまさか、王族だけしか食べられないお肉を貰っていたとはなぁ…」

カズマ「クエストの礼で貰ったんだ…。」

めぐみん「しかし、カズマも水臭いですよ! このような良い物を独り占めするとは」

ダクネス「まったくだ。まぁ、気持ちは分からないでもないが、こういう時こそ分け合うのも仲間だろ」

カズマ「悪かった! 最近、お前らが良く食べるせいか、今回も俺の分がかなり食べられそうで心配になったもんだから、つい一人だけで食べようとして」ペコッ

めぐみん「それを心配して黙っていたんですか!? 呆れますよ」

カズマ「えっ?」

ダクネス「私たちは仲間だろ。心配する必要はない…カズマも公平に食べれるよう配慮してやったさ」

カズマ「ダクネス…。そうか、だったら俺はなんて事を…」

アクア「はいはい。そういうのはもういいから…。ほら、カズマも食べなさいよ!」



引用元:http://engawa.open2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1541777481/